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お知らせ
【受賞】修了生の劉佳琦さんが,復旦大学外国言語文学学院2010年度優秀教師に
本研究室修了生の劉佳琦さん[研究紹介]から,復旦大学外国言語文学学院[Website]の2010年度優秀教師に選ばれ,敬業賞を受賞したとのご報告をいただきました。
この賞は,教育・研究および社会の各方面における活動が優れている大学教員に与えられるもので,劉さんは研究においては,核心雑誌論文1本,学会発表2本,各種研修会2回,教材翻訳1冊という業績が高く評価されました。また,2010年復旦大学光華青年学者科研奨励企画審査,および2010年度復旦大学文科科研推進プログラム「金苗」(2010年11月~2012年11月)審査に合格し,研究助成を受けています。
【好評】
『多様化する言語習得環境とこれからの日本語教育』
- 坂本正・小柳かおる・長友和彦・畑佐由紀子・村上京子・森山新(編)
- スリーエーネットワークより,2008年5月刊。
- 2,100円(税込)
- 戸田貴子執筆担当
- 第3章第2節 「混合環境(自然習得+教室習得)における日本語習得 ― 音声の習得」
- スリーエーネットワークによる解説
- 本書は,日本語の習得とその習得環境の関係からこれまでの日本語習得研究の成果を分析,考察し,これからの日本語教育に向けて提言を行っています。
第1章では,教室習得環境での習得について,韓国,台湾,アメリカ,オーストラリアでの日本語教育事情および研究の分析と考察を行い,第2章では,自然習得環境での習得について,その実態の解明と教育的意義について述べています。
第3章では,混合環境(教室習得環境+自然習得環境)における特徴や問題点を,主に,発音,文法,語用の面から述べ,教室指導のあり方を考察し,最終章では,インターネットを利用した日本語教育の実践例と,日本語習得研究の成果をどう日本語教育に生かしていくかという具体的な提言がなされています。
日本語教育,日本語支援に携わる方々にぜひ読んでいただきたい一冊です。
【科研費報告書】
『第二言語における日本語特殊拍の習得研究』
研究代表者:当研究室出身の木下直子さん[研究紹介]
概要
多くの日本語学習者にとって「おばさん」「おばあさん」や「来てください」「切ってください」などの特殊拍(長音,促音,撥音)の有無の区別は知覚,生成ともに困難であることが指摘されている。しかし,これまでの研究成果から効果的な指導法が確立されているとは言い難い。その理由の一つに,日本語学習者がどのように特殊拍を習得していくのか,あるいは習得できないのか,できないとしたらどのような音環境の場合であるのかなどが十分に検討されていないことが挙げられる。
そこで本研究では,次の5つの解明を試みた。(1) 第二言語としてのリズム計測法,(2) 調査協力者の母語である韓国語(ソウル方言話者,釜山方言話者)のリズムと日本語のリズムの特徴,(3) 韓国人日本語学習者を対象とした日本語特殊拍の習得プロセスの解明,(4) 日本語特殊拍リズムの知覚と生成の関係,(5) 学習環境の違い(日本在住,韓国在住),学習者要因(日本語口頭運用能力,学習ストラテジー,学習スタイル,作動記憶容量)が習得に及ぼす影響である。
その結果,(1) 第二言語としてのリズム計測法としては,PVI(Grabe andLow,2002)が習得状況をより捉えられる計測法であること,(2) ソウル方言話者と釜山方言話者による韓国語リズムの違いは見られず,韓国語リズムは日本語リズムに比べて母音間区間の持続時間の伸縮が大きく,nPVIc が異なること,(3) 特殊拍の知覚において2 年目に習得が確認されたが,特殊拍の中では長音が最も習得が遅いこと,(4) 特殊拍の知覚と生成には相関が見られないこと,(5) 日本在住の学習者が韓国在住の学習者より特殊拍リズムの習得が早いわけではないこと,特殊拍リズムの習得には日本語口頭運用能力は関与しておらず,口意識型ストラテジー,聴覚型学習スタイル,作動記憶容量が関与していたことが明らかになった。
- キーワード
- 日本語教育,第二言語習得,特殊拍,リズム,長音,促音,撥音,知覚,生成,学習ストラテジー,学習スタイル,作動記憶容量,リスニングスパンテスト,OPI,JFL,JSL
【研究成果公開】DVD教材「日本語でシャドーイング」公開
DVD教材,「日本語でシャドーイング」(正式版)を動画で公開しています。現在,JIDEL(カンバス社製)を利用した,4ヶ国語の字幕が選べるビデオがごらんいただけます。
Internet Explorerのみ対応しています。そのほかの環境の方は,試作版をYoutubeでご覧ください。
※本教材は,「音声習得ストラテジーと発音学習システムに関する実証的研究」平成18~20年度科学研究費補助金基盤研究(B)(代表者:戸田貴子)によるものです。
【好評】くろしお出版より,2008年3月刊行
戸田貴子(編)『日本語教育と音声』
もくじ
- 第一部 日本語教育と音声の関わり
- 第一章 「日本語音声の研究と教育における課題」 戸田貴子
- 第二章 「日本語学習者の音声上の問題点」 戸田貴子
- 第三章 「大人になってからでも発音の習得は可能か」 戸田貴子
- 第四章 「「発音の達人」とはどのような学習者か」 戸田貴子
- 第二部 日本語音声の研究と教育
- 第五章 「外来語研究の視点 ― 日本語教育の立場から」 カッケンブッシュ知念寛子
- 第六章 「プロソディーの基礎研究と日本語教育」 窪薗晴夫
- 第七章 「VT(ヴェルボトナル)法による日本語音声指導」 川口義一
- 第三部 日本語音声の習得
- 第八章 「中国語母語話者における日本語の有声・無声破裂音の混同」 劉佳琦
- 第九章 「韓国語を母語とする上級日本語学習者によるザ行音の習得」 許舜貞
- 第十章 「「い形容詞+ナイ」の表現意図と韻律的特徴 ― 北京語・上海語話者を対象とした録音実験から」 湧田美穂
- 第十一章 「「ヨクナイ」の表現意図の聞き取り ― 日本語母語話者と韓国人日本語学習者を対象とした聴取実験から」 湧田美穂・戸田貴子
- 第十二章 「日本語学習者の韻律の習得に教室内指導が果たす役割 ― 複合語のアクセントを例として」 福井貴代美
【既刊】『未来社会を創る研究者たち ― 飛躍する「早稲田大学」の研究活動』
- 日経BP企画大学取材班 編
- 2007年10月29日,日経BP企画 刊
- 価格: 1,890円(税込み)
- ISBN: 978-4-86130-300-5
詳しい内容・ご購入は:日経BP書店にて
【全文公開中】「大学院日本語教育研究科教授 戸田貴子:音声コミュニケーションを科学的に分析し,実践にいかす―世界に羽ばたく日本語教師を育成」
第1章 「日本社会の課題に多角的な方面から挑む」より。
- 日経BP企画大学取材班(2007).大学院日本語教育研究科教授 戸田貴子:音声コミュニケーションを科学的に分析し,実践にいかす―世界に羽ばたく日本語教師を育成 日経BP企画大学取材班(編)『未来社会を創る研究者たち ― 飛躍する「早稲田大学」の研究活動』(pp.45-53)日経BP企画.[PDFをダウンロードする]
早稲田大学研究者紹介Webマガジンに紹介記事が掲載
日本語版:第18回 「音声コミュニケーション研究」という新領域から,日本語コミュニケーションの進化に貢献する- English: Vol. 18. Phonetic Communication Research: Contributing to the evolution of Japanese communication
本大学で活躍する研究者の先端的で魅力あふれる研究を,毎月15日(原則)皆様にご紹介いたします。大学の内と外が研究へのニーズや関心で繋がり,社会のあらゆる場面で「知の共創」を実現したいと願っています。(「早稲田大学研究者紹介WEBマガジン」より)
『コミュニケーションのための日本語発音レッスン』(日本版・中国版・韓国版)
戸田貴子(編)(2008).『日本語教育と音声』くろしお出版.