新着情報――戸田貴子研究室

お知らせ

【実践報告】2016年3月1日,上海の復旦大学外文学院にて日本語発音講座を行いました

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使用教材

  • 戸田貴子(2004)『コミュニケーションのための日本語発音レッスン』スリーエーネットワーク.(中国語版『让你沟通自如的日语发音课本』世界图书出版公司,北京)[教材の紹介
  • 戸田貴子(編著)(2012).『シャドーイングで日本語発音レッスン』スリーエーネットワーク.[教材の紹介

【開催記録】劉セイラさん公開講演会「日本語と私――「発音の達人」による気づきと学び」

2015年5月28日(木),早稲田大学19号館711教室にて,音声コミュニケーション研究室主催の「劉セイラさん公開講演会」が行われました[開催要領]。中国出身,日本で声優として活躍中の劉セイラさんをお招きして,ご自身の日本語学習経験や声優を目指したきっかけなどをお話しいただきました。

当日の来場者数は予想を大幅に上回り,立見すら出る130名の大盛況でした。日本語教育関係者は勿論,日本語を学習中の留学生や,声優学校に通っている学生など,多様な背景をもった方々でした。司会・進行担当の黄琴薇による劉セイラさんの紹介の後,早速劉セイラさんのご登壇。

アニメ・漫画・声優との出会いから,日本語学習方法・日本留学の経験・声優の仕事まで,劉セイラさんは熱く語ってくれました。声優を目指して良いと思った理由は,声優の朴璐美さん()が自分と同じ非日本語母語話者であると勘違いしたからだったということ,声優学校に在籍中,日本語の上達の為に,母語である中国語を殆ど遮断し,両親とも滅多に連絡を取らなかったということ,恩師の川田健先生と笈川幸司先生から多大な影響を受けたということ。話し上手の劉セイラさんの唇から,流れる水のように言の葉が絶え間なく紡がれてゆく。それを耳にする聴衆は,時には笑い声を立て,時には感嘆の溜息を漏らし,また時には会心の笑みを浮かべる。終始和気藹々とした雰囲気の中で,予定された時間は瞬く間に過ぎ去り,時計の針が講演の終わりを告げました。

講演の後は聴衆による質疑・応答の時間。座中には昔の劉セイラさんのように声優を目指して来日した留学生も数名いました。彼等の質問からは夢の実現への渇望が感じられましたが,劉セイラさんは自身の経験を振り返り,「色んなご縁があり,色んな条件が揃ったから,今の自分がいる。1個でも条件が足りなければ,自分はもう今ここにはいないし,別にこれができたから,ここまで行った,というわけでもない」と,努力だけでなく,運の重要性も強調されました。その上,「趣味と夢は諦めない方が良いが,現実との兼ね合いも考えた方が良い」と,真摯に助言をしてくださいました。努力も惜しまず,才能と運にも恵まれた劉セイラさんの存在は,奇跡の結晶であると同時に,日本語を学習し,自己実現を目指す日本語学習者にとっても,心強いロールモデルになるのではないでしょうか。

講演会は戸田貴子教授による閉会の挨拶で幕を閉じました。劉セイラさんの努力の軌跡は「発音の達人」の研究成果と多くの共通点があるということを指摘しつつ,戸田先生もまた,目標の実現に向けて頑張るようにと,学習者の皆さんを励ましました。次第にボーダレスになってゆく世の中で,劉セイラさんのように国境を越えて活躍する方も,今後も更に増えていくのでしょう。そのような人材育成に貢献できるよう,日本語教育研究科,音声コミュニケーション研究室一同,今後も研究教育活動に取り組んでいく所存です。

  • :朴璐美さんは日本生まれの在日韓国人で,母語は日本語です。

(執筆: 黄琴薇写真

【記録】東京音声研究会(TAPS)発音フェスタ

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photo: 2015年5月9日(土),東京音声研究会主催「発音フェスタ」が,早稲田大学早稲田キャンパス3号館にて開催されました[開催要項]。本イベントは,「発音の実践について紹介し,気軽に話し合おう!」をモットーに,音声を専門とする人もしない人も一緒に,「発音の教え方」を共有する場として設けられ,ポスター発表や実演デモンストレーションなど,計13件の研究が発表されました。

photo: また併せて,日本語の発音教育でカリスマ的な人気を誇る,笈川幸司先生による講演会も開かれました。「飽きられずにリピートさせる~発音指導の秘訣」と題されたこの会では,朗読を題材に発音指導過程が実演され,いかに誤りを正すか,いかにモチベーションを維持させるか,といった笈川幸司先生の具体的かつ実践的なノウハウが披露されました。

photo: 私たち戸田貴子研究室からは,3グループ3件の発表を実施しました。「eラーニングを活用した日本語音声学習支援」,「留学生への音声指導に関する実践研究―欧米系学習者を対象として―」そして「アジア系日本語学習者に対する発音指導の試み―中国語母語話者による発音チェックを通して―」と題した各発表では,早稲田大学日本語教育研究センターの発音クラスを通じた実践研究を基に,実施した音声指導および得られた知見を発表しました。

photo: グループごとに議論を重ねる過程,そして本イベントでのポスター発表を通じ,私たちが実施した音声指導を客観的にとらえ,今後の課題を見出すことができました。特に,研究経験の浅い修士課程の大学院生にとって,多種多様な来場者と議論・意見交換ができたことは,非常に新鮮かつ有意義な体験となりました。

これからも研究室一同,様々な研究活動を通じて,音声コミュニケーションに関する知見を広げていく所存です。(品田洋介)

Waseda Course Channel『発音』講義動画一般公開のお知らせ

授業中は,教えるべきことが多く,発音練習する時間がない…

帰国して日本語教師になるつもりだが,自分の日本語の発音が気になる…

こんな悩みはありませんか?

そこで,日本語発音練習のための講義動画が,Waseda Course Channelで一般公開されることになりました! どなたでもアクセスして,日本語のアクセントやイントネーション等が練習できますので,授業用として,また,独学用としてご活用ください。

※早稲田大学日本語教育研究センターの「なめらか!発音3‐4」「コミュニケーションのための発音5‐6」は,このリソースを使って発音練習をするクラスです(第1回Waseda e-Teaching Awardを受賞しました)。

なお,講義内容は,次の教材に準拠しています。

ぜひ,お友達や学生の皆さんにもご紹介ください!

【研究状況】最近の研究より

発表

  • 戸田貴子,大久保雅子千仙永(2015年9月13日).「日本語学習者の自律的な発音学習――『発音チェック』における『再提出』が日本語学習者の学びに与える影響」早稲田大学日本語教育学会(早稲田大学).
  • 戸田貴子,大久保雅子,千仙永(2015年8月27~29日).「インターネットを活用した音声指導――ヨーロッパ圏日本語学習者を対象として」第19回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(フランス:ボルドーモンテーニュ大学).
  • 戸田貴子,大久保雅子(2015年5月16~17日).「日本語非母語話者による発音学習支援――中国人日本語教育実習生を中心に」2015年度日本語教育と日本語学研究国際シンポジウム(上海理工大学).
  • 辻田沙織(2015年3月28日).「断りの場面において聞き手にマイナスの印象を与える音声表現」早稲田大学日本語教育学会春季大会(早稲田大学).
  • 黄琴薇(2015年3月28日).「複合語のアクセント構造に対する日本語母語話者の意識と印象」早稲田大学日本語教育学会春季大会(早稲田大学).
  • 戸田貴子,大久保雅子(2015年3月8日).「中国人日本語学習者による発音の問題点とインターネットを活用した『発音チェック』の効果」四川外国語大学日本学研究所国際シンポジウム「文化交渉の視野における日本学」(四川外国語大学).
  • 戸田貴子,千仙永,古賀裕基趙セイ小針奈津美,大久保雅子(2014年9月13日).「『発音BBS』を活用した日本語学習者の発音学習」早稲田大学日本語教育学会(早稲田大学).[発表スライド:PDF
  • 冨岡泉(2014年9月13日).「日本語学習者は平坦上昇調の使用者に対してどのような印象を持っているか」早稲田大学日本語教育学会(早稲田大学).
  • 川染有(2014年9月13日).「初級クラスを教える教師は音声教育をどのように考えているか――国内の日本語学校で初級を指導する教師へのインタビューから」早稲田大学日本語教育学会(早稲田大学).
  • 岩崎裕子,太田莉紗,金子貴博,高昌弘,品田洋介,松浪千春,宮崎里司(2014年9月13日).「日本と諸外国との多地点による遠隔実践報告――日本語教育のグローバル化を目指して」早稲田大学日本語教育学会(早稲田大学).
  • 戸田貴子,大久保雅子,千仙永(2014年8月26日).「海外における新しい日本語音声教育実践の可能性」タイ国日本研究国際シンポジウム2014(チュラーロンコーン大学)
  • 戸田貴子,千仙永,大久保雅子(2014年3月22日).「日本語学習者の音声習得を促す発音学習支援――継続的な自律学習に向けた支援方法」韓国日本語学会(白石芸術大学校).

研究プログラム

  • 戸田貴子(研究代表者)(2014~2017).「e-Learningを活用した日本語発音学習支援と自律学習モデルに関する研究」科研費基盤研究(C)14485750.http://kaken.nii.ac.jp/d/p/26370616.ja.html