質的調査法研究会
質的調査法研究会へのお誘い
2007年度秋学期より「質的調査法研究会」を始めました。
日本語教育の現場では,学習・教育場面における学習者および教師の活動をどのように記述し,解釈するか,といったことの必要性から,質的調査法への関心が高まっています。質的調査法は,学習者の理解プロセス,教室活動の展開,教師の役割など,さまざまな観点から,人びとの営みを質的にとらえ,その営みを意味づけ,新たな問いを立ち上げることによって,より深く現場を理解し,よりよい実践へと繋げるためのものだと考えます。また,動的に変容を続ける現場を記述する方法を模索する試みでもあります。
一方,近年,質的研究について数多くの本が出版され,質的研究による論文も多く見られるようになって来ました。しかし,研究テーマによって,あるいは問題意識の所在によって,研究の方法は異なり,単純にマニュアル化されるものでもありません。研究の中に研究者を含む,あるいは自分自身を含んで記述する,ということの難しさがあります。また,定量的,実証主義的な研究こそ研究であるというパラダイムに長くいた私たちが,その呪縛から抜け切れないでいる面もあると思います。
そこで,関心をもっている者どうしが,互いに学びあう場として,この研究会はスタートしました。各自の現場のデータを持ち寄って検討しあうことによって,協働的に学ぶことができれば幸いです。関心をお持ちの方々の積極的なご参加をお待ちしています。
2007年10月22日 舘岡洋子
次回ご案内
第9回: 質的研究におけるディスコース分析の位置づけ
みなさまのご参加をお待ちしております。
- 日時: 2010年2月9日(火)16:00~18:00
- 場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館203教室★
- 話題提供者: 鈴木聡志(東京農業大学)
- ご参考:「質的調査法研究会」これまでの記録,ほか
★事前申し込み不要です。直接会場へお越しください。
発表要旨
心理学,教育学等で質的研究への関心が高まっている。これまで多くの方法が紹介されてきたし,また新手法の開発もあった。
質的研究であれば意義があった時代は過ぎ,研究目的に応じて適切な方法を選択する時期に入っていると講演者は考えている。
本講演ではディスコース分析の背景や特徴を概説し,他の質的研究法との違いを対比させる。
実例として教室の会話をとり上げ,ベテラン教師の授業と教育実習生の授業を分析することで,ディスコース分析の実際を示すとともに,その課題を考えたい。