マカレスター大学(ミネソタ州)ラボインストラクター報告書

報告者:田所希佳子(博士後期課程13期)

2009-06-13

待遇コミュニケーション研究室,博士後期課程13期の田所希佳子です。2008年3月にGSJAL日研を修了し,4月から8月まで早稲田大学日本語センターで契約講師(現インストラクター)として働いた後,マカレスター大学で2009年5月まで9ヶ月間ラボインストラクターをしました。

1.ミネソタ州マカレスター大学(http://www.macalester.edu/)とは

1.1.ミネソタ州について

写真:セントポールミネソタ州はアメリカの中西部に位置し,「10000個の湖(10,000 lakes)」という愛称で知られている通り,湖の多い自然の豊かなところです。しかし冬は非常に寒く,-20度を下回ることもしばしばで,「アメリカの冷蔵庫」と揶揄されるほどです。マカレスター大学のあるセントポールと,ミネアポリスという二つの有名な都市があります。

1.2.マカレスター大学について

写真:母校を訪れたコフィー・アナンと私。右はローゼンバーグ学長。マカレスター大学は学生数約1,800人のリベラルアーツカレッジ(liberal arts college)です。元国連事務総長のコフィー・アナン(Kofi Annan)の母校として知られています。

(写真:母校を訪れたコフィー・アナンと私。右はローゼンバーグ学長。)

2.業務内容

2.1.ラボインストラクター(lab instructor)とは

写真:ラボインストラクターたちと。ラボインストラクターとは,その名の通り,ラボ(laboratory)のクラスを担当する教師のことです。マカレスター大学には日本語,中国語,ロシア語,フランス語,ドイツ語,スペイン語の授業があり,学生はこれらの言語を受講する際,週3コマ(1コマ=1時間)のメインのクラスと週1コマのラボを取らなくてはいけません。メインのクラスは教科書を使って文型を導入・練習するクラスで,ラボではより少人数でその文型を使った会話練習をします。日本語のラボではその他に新しい単語や漢字の導入・練習,クイズも行いました。

(写真:ラボインストラクターたちと。)

2.2.ランゲージハウス(language house)

写真:ジャパンハウス。大きな一軒家です。写真:ジャパンハウス。ラボインストラクターたちはそれぞれの言語の家(ランゲージハウス)に学生と一緒に住みます。ランゲージハウスでは,基本的に英語を話すことが禁止です。学生たちは,その言語を学ぶためだけでなく,留学前にその国の生活様式に慣れておくために,また留学後に逆カルチャーショックにならないために,ランゲージハウスに住みます。私はジャパンハウスで3名の学生たちと一緒に住みました。週に一度コモンミール(common meal)といって,食事当番を決め,いろいろな日本料理を作って食べました。またオープンハウスやドラマナイトといったイベントを行い,日本に興味のある学生をジャパンハウスに招いたりもしました。

(写真:ジャパンハウス。大きな一軒家です。)

2.3.その他

職場の環境は非常によかったです。学部に秘書が一名おり,仕事のことだけでなく,生活面でも大変お世話になりました。また日本人留学生や日本語の上手な学生が,日本語TAとしてアルバイトをしているので,簡単な仕事であれば任せることができます。

それから,教職員は一学期に授業を一つ受講することができます。私はスペイン語とサルサダンスを受講しました。コミュニカティブ・アプローチでゼロからスペイン語を学ぶのは非常に興味深く,また学習者の気持ちを知るよい機会になったと思います。サルサダンスは他のラボインストラクターたちと一緒に受講し,楽しい思い出ができました。

3.休日の過ごし方について

写真:冬のマカレスター大学休日は仕事から離れ,ゆっくりと過ごすことができました。冬はスキーやクロスカントリー,アイスチュービング(ice tubing:そりすべりのタイヤバージョン),夏はテニスやバーベキュー,キャンプなどを楽しみました。ミネソタにはアメリカ最大級のショッピングモールであるモール・オブ・アメリカ(Mall of America)がありますし,MLBやNBAを見に行くこともできます。また大学内にある新しいジムで汗を流したり,近くのミシシッピー川へ散歩に行ったりもしました。

4.学んだこと

写真:写真:初級のラボの学生たちと。修士のころは,どう教えるべきかという方法よりも,何を教えるべきかという内容について,より重点的に学んだと思います。しかし,マカレスター大学では,どう教えるかという方法面に関して,特に勉強になりました。日本に留学に来ている学生とは違い,マカレスター大学の学生の中には,日本語を勉強する必要性を全く感じていなかったり,単位や成績のためだけに受講している学生もいました。そういう学生たちをも引き込むような授業を目指し,時には効率的ではないかもしれないと思ったことでも,教室の雰囲気を和らげたり,学習者たちのやる気を高めるために,いろいろと試してみたことは,よい経験になったと思います。修士在学中でも十分に可能な仕事だと思いますので,みなさんぜひチャレンジしてみてください。

(写真:初級のラボの学生たちと。)