海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育――動態性の年少者日本語教育学
「移動する子ども」シリーズ(3)
川上郁雄(編・著)
- 2009年9月,明石書店刊[紹介]
- 定価:3,465円(税込)
- ISBN:978-4-7503-3061-7
- 書評――世界各地から
- 論文誌『リテラシーズ』7に掲載:「移動する時代」の言語教育実践者の立ち位置について再考する / 矢部まゆみさん
- 多様な子どもに多様な教え――「動態性」が鍵を握る多様な時代のダイナミックな日本語教育 / 中村栄子さん(シドニー在住日本語教師)
- グローバルな日本語教育の研究や実践をしていく者のための必読の書! / フックス清水美千代さん(バーゼル日本語学校)
- 「移動するこども」にとって意味のある日本語を問い直す――ドイツで日本語を教える視点から / 三輪聖さん(ハレ・ヴィッテンベルク大学)
「移動する子ども」シリーズ,第3弾の論文集。本書の特徴とねらいは,以下の通りです。
- 日本国外で日本語を学ぶ子どもたちを対象にした教育について,授業実践,調査,インタビュー等にもとづき,考察した10遍の論考が収録されています。
- 実践と考察を行った国は,タイ,ペルー,米国,オーストラリア,イギリス,韓国,中国,ハンガリー。
- 執筆者は,これらの国で実践,調査を実際に行い,それを踏まえた考察を行っている点で,画期的な論文集となりました。
- 本書を貫くテーマは,「移動する子どもたち」。グローバル化と人口移動により,従来の「継承日本語教育」や「外国語としての日本語教育」が変貌している実態を浮き彫りにした点でも,極めてユニークな本と言えます。
- 視点は,「動態性」「主体性」「移動」「内省」「認識」「成長」。これらから,年少者日本語教育の実践の新たなあり方を提起しています。
- 子どもを囲む環境と,日本語教師自身の成長を軸に,時代の変化にどう対応したらよいかを問いかけます。今,「移動する時代」に生きる子どもたちに必要な日本語教育の実践を新たに構想する時期に来ています。「動態性の年少者日本語教育」!!それは,まさに時代を切り開く視点です。