吉岡英幸からのメッセージ
私の専門は日本語教育で,主に日本語教材に関する研究を行っています。つまり,日本語を教えるときに使用する,いろいろな教材教具の特徴や使用法などを研究対象としています。
日本語の教材というと,すぐに教科書が思い浮かびますが,一口に教科書といっても,今は非常に多くの種類の教科書が作られています。レベル別に見ても,初級,中級,上級,それに最近では初中級とか中上級の教科書というものもあります。また,留学生用,年少者用,ビジネスピープル用,技術研修生用など,対象別の教科書も豊富です。教科書以外にも,絵や写真,音声テープ,ビデオ,コンピュータソフトなど,様々な教材教具が開発されています。
いい授業をするためには,学習者の目的やレベルなどに合った教材を選ばなければなりません。そのためには,こうした多様な日本語教材の特徴を知り,その特徴をいかした教え方をすることが大切になります。適当な教材がなければ,自分で作ることも必要になります。日頃の授業のためにも,教材の研究は欠かせません。
しかし,今私が特に興味があり,研究をしていることは,現代の日本語の教科書の“ルーツ”を探ることです。日本語の勉強を始めた人はすぐわかることですが,ほとんどの日本語の教科書は,「~は~です」「~に~があります」「~てください」「~たり~たり」「~ながら」というような文型を中心に作られています。この文型を中心にした日本語教育はいつごろから始まったのかということです。いわば,日本語教育の源流を探すことが,今の私の大きな研究テーマです。
今までにわかったことは,文型を中心とした教科書は,明治時代(1868~1913年)から始まったということです。今後も,日本語教材についての研究を進めていくつもりですが,まずしなければならないことは,日本語教材,特に古い教材がどこにあるかを調べることです。日本だけでなく,中国や韓国などにも調べに行きました。
これからも,日本語の教材をもとめ,調査を続けたいと思っています。