田中祐輔(たなか ゆうすけ)

研究テーマ

中国の日本語学習ニーズの多様化に対応する「学習者主体の教材開発」に関する実践研究

多様化する中国の日本語学習ニーズに対応する教材開発理論の構築を目指して研究しています。特に(I)日本語教材史全体を通じた問題点の把握(歴史的研究)と,(II)学習者主体の教材開発フレームワークの検討(実践に基づく理論的研究)を中心的な課題として設定しています。

中国の日本語学習者の数は83万人で,その増加は著しく,日本語能力試験海外受験者数は世界一となっています。しかしながら,教材の課題は多いと言われ,特に学習ニーズに基づいたカリキュラムの問い直し,教材開発が急務とされています。

世界的にも日本語教育の需要が高い中国をフィールドとし,日本語教育の現代的課題ともいえる「日本語学習ニーズの多様化に対応する教材開発」の方法論を構築することで,今後の日本語教育のさらなる発展に寄与したいと考えています。

略歴

2011年9月
早稲田大学日本語教育研究センター インストラクター(非常勤)(〜現在)
2011年4月
日本学術振興会特別研究員DC2(~2013年3月)
2009年4月
早稲田大学大学院日本語教育研究科 博士課程入学(~現在)
2009年3月
早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士課程修了(首席総代)
2009年2月
復旦大学外国語学院日本語学部講師(~2011年2月)
2007年3月
筑波大学日本語・日本文化学類 卒業

資格・免許

  • 日本語教育能力検定試験合格(財団法人日本国際教育支援協会主催)
  • 高等学校教諭一種免許(国語科),中学校教諭一種免許(国語科)

業績

研究助成

  • 科学研究費補助金「中国の日本語学習ニーズの多様化に対応する『学習者主体の教材開発』に関する実践研究」(2011~2012年度,特別研究員奨励費,課題番号23・4780)

著書

論文

  • 田中祐輔(2012).中国の大学専攻日本語教科書と日本の高等学校国語教科書との内容的近似性から浮かび上がる現代的課題『リテラシーズ』10,21-30.http://literacies.9640.jp/vol10.html
  • 田中祐輔(2011).对中国大学日语专业基础阶段教材与日本中小学国语教材的比较研究——内容异同所体现的现代性课题『日本研究集林』37,32-42.http://www.jsc.fudan.edu.cn/view.php?id=1034
  • 于乃明,田中祐輔,川端祐一郎,肖輝,張玥(2011).学習ニーズの多様化に対応する日本語精読教材の開発 ― 教材開発プロセスに密着して行なわれた学習ニーズの量的・質的調査とその意義『2011年度「台湾日語教育研究」国際学術研討会論文集』pp. A1-1 - A1-8.
  • 田中祐輔,張玥(2011).学習ニーズの多様化に対応する日本語教材開発の取り組み ― 復旦大学日本語学習状況調査による「学習当事者ニーズ」の検討とその効果『言語と文化論集』17,169-185.
  • 田中祐輔(2010).论体现“学习当事者需求”的教材开发及其支援网站建设(邦題:「学習当事者ニーズ」を顕在化させる教材開発支援サイトの構築)『日本研究集林』35,99-106.
  • 田中祐輔,肖輝,伊藤由希子,王慧雋(2010).大学教育としての日本語教育における精読教材のあり方 ― 日本の多様性から中国人大学生の考える力の育成を目指して『第6回中日韓文化教育研究フォーラム論文集』.
  • 田中祐輔(2010).学習者による日本語教材開発と活動支援システム構築の試み ― 中国復旦大学日本語科「精読(総合日本語)」クラスにおける副教材開発プロジェクト『2010世界日本語教育大会論文集:予稿集(電子データ版)』
  • 田中祐輔,伊藤由希子,王慧雋,肖輝,川端祐一郎,復旦大学学生実践調査員(2010).中国の日本語専攻大学生に対する日本語教科書の課題 ― 学習者への学習状況調査を通して『大学外語研究文集』11,362-381.
  • 田中祐輔(2009).『松本亀次郎の日本語教材と国語合理化論 ― 日本語教育の「国際化」とナショナリズム』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
  • 金義泳,趙南星,田中祐輔,飯塚知子,川端祐一郎(2008).海外における日本語読解教材の役割 ― 韓国人学習者のための読解教材の作成プロセスの記述と共有『WEB版日本語教育実践研究フォーラム報告』http://www.nkg.or.jp/kenkyu/Forumhoukoku/kk-Forumhoukoku.htm

学会発表

  • 于乃明,田中祐輔,川端祐一郎,肖輝,張玥(2011年11月26日).「学習ニーズの多様化に対応する日本語精読教材の開発 ― 教材開発プロセスに密着して行なわれた学習ニーズの量的・質的調査とその意義」2011年度「台湾日語教育研究」国際学術研討会(台湾・静宜大学).
  • 田中祐輔(2011年10月23日).「中国の大学日本語専攻教科書と日本の高等学校国語教科書との内容的近似性から浮かび上がる現代的課題」日本語学会2011年度秋季大会(高知大学).
  • 田中祐輔(2011年8月21日).「日本語教育学における『ニーズ』論の現代史 ― 学術誌『日本語教育』(1~147号)の言説分析から」2011世界日本語教育研究大会(天津外国語大学).
  • 田中祐輔(2010年10月17日).「学習ニーズの多様化に対応する学習者参加型日本語教材開発 ― 「学び」の問い直しと、継続的なフィードバックループの効果」北京日本学研究中心成立25周年国際学術検討会(北京外国語大学).
  • 田中祐輔,肖輝,伊藤由希子,王慧雋(2010年9月25日).「大学教育としての日本語教育における精読教材のあり方 ― 日本の多様性から中国人大学生の考える力の育成を目指して」第6回中日韓文化教育研究フォーラム(大連外国語学院).
  • 田中祐輔(2010年8月1日).「学習者による日本語教材開発と活動支援システム構築の試み ― 中国復旦大学日本語科『精読(総合日本語)』クラスにおける副教材開発プロジェクト」世界日本語教育大会(ICJLE)2010(台湾国立政治大学).
  • 田中祐輔(2009年3月28日).「松本亀次郎・岡本千万太郎の日本語教材と国語合理化論 ― 日本語教育の「国際化」とナショナリズム」早稲田大学日本語教育学会2009年春季大会(早稲田大学).
  • 田中祐輔,川端祐一郎(2008年9月13日).「地域日本語教室のレゾンデートル「『必要性』から『費用対効果』へ」 ― 財団法人茨城県国際交流協会つくば支所が主催する日本語教室の事例から」早稲田大学日本語教育学会2008年秋季大会(早稲田大学).
  • 金義泳,趙南星,田中祐輔,飯塚知子,川端祐一郎(2008年8月3日).「海外における日本語読解教材の役割 ― 読解教材の作成プロセスの記述と共有」日本語教育学会2008年度実践研究フォーラム.
  • 田中祐輔(2007年10月13日).「松本亀次郎の日本語教材に関する研究 ― 国語教育から日本語教育への転身と変容」早稲田大学日本語教育学会2007年秋季大会(早稲田大学).

講演・シンポジウム

  • 田中祐輔(2011年1月27日).「『日本語教師』:進路選択で迷ったら ― ‘ルーツ’を探して『自分らしい』進路を!」進路座談会 ― 地域マイスターに学ぶ(上海日本人学校浦東校).
  • 江副隆秀,水口里香,中井陽子,田中祐輔(2009年9月12日).「日本語教育現場の今 ― 研究とのズレはあるのか」早稲田大学日本語教育学会2009年秋季大会パネルディスカッション(早稲田大学).
  • 田中祐輔(2009年5月26日).「日本における日本語教育と教材開発」復旦大学創立記念学術イベント(復旦大学).
  • 田中祐輔(2009年2月3日).「20年来の夢『日本語教師』への道」2008年度進路講演会(神奈川県立麻生高等学校).
  • 田中祐輔(2006年9月15日).「世界にむけて発信 ― 日本語・日本文化の可能性」2006年度進路セミナー(茨城県立竹園高等学校).

記事・エッセイ

  • 田中祐輔(2011年9月27日).「日本語教材」について考える ― 定義・分類・役割『ジャスロン日语学习沙龙・特別講座』第130回.http://neo-acg.org/supesite/?action-viewnews-itemid-3117
  • 田中祐輔(2011年7月24日).「よい教材」に出会うために『ジャスロン日语学习沙龙』.http://neo-acg.org/supesite/?action-viewnews-itemid-2989
  • 田中祐輔(2011年3月25日).中国における日本語ブームの一〇年代 ― 「80后」・「90后」日本語学習者への学習状況調査から.http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=102
  • 我的生活在网络之外,课堂之内(文/姜晟新,摄影/钱超)『申江服務導報(Shanghai Times)』(2011年1月5日,第651期)解放日报报业集团刊行.
  • 田中祐輔(2010年12月).上海・復旦大学便り『TIVONA通信』55,2-5(つくば都市振興財団主催日本語講座).
  • 吉岡英幸,田中祐輔(2010年12月).師弟よもやま対談 ― 日本語教材の過去,現在,未来(後編)『月刊日本語』2011年1月号.[amazon.co.jpで購入
  • 吉岡英幸,田中祐輔(2010年11月).師弟よもやま対談 ― 日本語教材の過去,現在,未来(前編)『月刊日本語』2010年12月号.[amazon.co.jpで購入
  • 田中祐輔(2010年9月2日).80后の日本語学習熱 ― 日本への眼差しの変化からみる「経済」・「アニメ」の次の兆し『エキサイト80后』.[PDF:ダウンロード
  • 田中祐輔(2009年10月8日).20年来の夢「日本語教師」への道 ― 支えとなった指導教授の励まし『早稲田ウィークリー』1196.http://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2009b/1196/196d.html

出版協力

  • 澁川晶,島田めぐみ,伊能裕晃(2010).『聴くトレーニング〈聴解・聴読解〉応用編 ― 日本留学試験対応』スリーエーネットワーク.

日研について

実際にこの環境の中で研究活動を行ってきたことによって,高度な実践能力と専門性を持つ日本語教育の専門家を育成するために,「実践」と「研究」を支える学問的環境が体現されていることを実感しています。また,各分野の教員・院生が活発に研究を行い,常に発信するとともに対話し,触発し合っている姿を目の当たりにする中で,日本語教育が日々更新されていることも強く感じています。日研では研究室の壁,さらには教員と学生との壁を越えて,人々が自由に知的刺激を与え合うことができる最高の学術的共同体が形成されており,学問的にも人間的にも大きな刺激を受けてきました。そのことによって,それまで遠くにあり漠然と捉えていた「日本語教育」が,まさに目前の問題となり,自分が考えていること,考えるようになったことこそが「日本語教育」の問題なのであるという認識を持つに至っています。

吉岡研で研究したいと思った理由

吉岡英幸先生の研究領域・論文に触発され,日本語教育史という研究分野に強い関心を持ったことから,この研究室で研究していきたいと強く望みました。

日々の生活

復旦大学博士課程に在籍し研究を続ける一方で,2009年2月からの2年間,中国・上海にある復旦大学外国語学院日本語学部に着任し,日本語教育に携わりました。2011年9月より早稲田大学日本語教育研究センターにおいてインストラクター(非常勤)を担当しています。