【日越大学】現地報道より「天皇皇后両陛下,元日本留学生と面会」

(許諾を得て翻訳して転載)

3月2日,ベトナムの公式訪問の一環として天皇皇后両陛下が文廟にて元日本留学生と懇談された。本日の懇談は,通常の懇談とは異なり,盛大な拍手やスピーチなどはないものの,温かい雰囲気の中で行われた。両陛下が到着される前,日本語を学習している,Chu Van An高校の学生は,日越の国旗を振り,文廟内で整列してお迎えした。

文廟にて両陛下との面会
文廟にて両陛下との面会

両陛下が入場された時,元日本留学生と介護福祉士を目指して,近く来日するベトナムの介護福祉士候補者が,丁寧に挨拶した。参加者全員に向けた,両陛下からのスピーチはなかったが,一人一人と握手され,笑顔で声をかけられた。

両陛下がおいでになる前,参加者の中には,緊張する者もいたが,両陛下と日本語で話した時,その緊張感はほぐれた。

介護福祉士候補者として,これから日本に行くブイ・ティ・トゥットさんは,「両陛下からは,どうして介護福祉士になりたかったのか,日本語の勉強は難しかったのか。日本は,介護福祉士が不足しているため,両国の架け橋になるために頑張ってください」と,親切にお声をかけていただき,嬉しかったと述べた。

そして,天皇陛下は,ベトナムの元日本留学生クラブの会長であり,現在ベトナム国家大学ハノイ外国語大学副学長のゴー・ミン・トゥイさんに日本留学の期間,留学の生活,留学中の感想,帰国後の活動について話しかけられた。

両陛下のご質問に対し,ゴー・ミン・トゥイさんは,次のように語った。

「4年間,日本に留学して,2011年に帰国しました。帰国後,ハノイ国家大学所属外国語大学に勤めていました。近年,日本語教育の普及による日本語学習者が増加していることにとても嬉しく思っています」

両陛下は,日越大学のグエン・ホアン・オアイン副学長にも握手し,「日越の友好関係を代表する大学の管理職の一人として,どうやって日越の文化を採り入れて,教えているか」と訊ねられた。オアイン副学長は,日本留学中に日本人の礼儀正しさ,仕事に対する責任感など日本の良いところがたくさん学べたので,それを学生たちに伝えたいと答えました。そして,オアイン副学長は,次のように語りました。

「はじめて両陛下にお目に掛かることができ,とても嬉しかったです。日本に留学した時,両陛下が参加されたイベントには何回も出席しましたが,直接お話できたのは,今回が初めてです。普段日本人は頭を下げて挨拶しますが,天皇陛下が温かく握手をしてくださり,とても感動しました」

前日の,両政府の宴会で,天皇陛下が「明日,文廟で元日本留学生や両国の友好関係に貢献している人たちにお会いできるのを楽しみにしています」と述べられた。

留学生を含むと,在日ベトナム人は,現在,180,000人に達している。その中で,日本の病院や施設で研修を受けて,今後介護福祉士と看護士として,長期間日本で就職したい人は,500人程に上る。さらに,天皇陛下は,ベトナムにおける初等教育での日本語教育の開始と日本語学習者の増加にも感心を寄せられた。現在,ベトナム在住の日本人は,15,000人近くになっている。

ベトナムの元日本留学生クラブの会長―ゴー・ミン・トゥイさんに話しかけられる天皇陛下
ベトナムの元日本留学生クラブの会長―ゴー・ミン・トゥイさんに話しかけられる天皇陛下

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文廟の前で両陛下に挨拶をする日本人生徒
文廟の前で両陛下に挨拶をする日本人生徒

以上,ベトナム語版原典
AP通信,2017年3月2日
Vietnamplus 2017年3月2日

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チャン・ユエイ・アンさん(日越大学)は,はじめて天皇皇后両陛下にお目に掛かり,感激したという。アンさんは,日本のODAで開学した,日越大学の修士課程1期生として在学しており,修了後,日越の文化交流促進等のような両国の友好関係の強化に繋がる仕事をしたいと述べた。

以上,ベトナム語版原典
Phunuvietnam 2017年3月2日 日越大学