【新着情報 ― 宮崎里司研究室】更新情報はTwitterの#gsjal_miyazaki

お知らせ

【学会発表要旨】日本語教育学会春季大会(拓殖大学:2012年5月26~27日)での
宮崎里司の関連発表3本

大会プログラムおよび全発表の要旨は,日本語教育学会大会ホームページから。

口頭発表: 川上郁雄,池上摩希子,宮崎里司「JSLバンドスケールを用いた日本語能力把握によって教育支援システムはどのように展開したか ― 鈴鹿市におけるJSL児童生徒に対する教育実践を通して」

2008年より4年間,大学・教育委員会・学校の連携によるJSL児童生徒への日本語教育支援システムの構築について実践研究を重ねてきた。本発表の第1の論点は,この支援システムの柱の一つであるJSLバンドスケールを用いた4年間の判定結果を軸に,JSL児童生徒の日本語能力が,この間にどのような変容を遂げているかという点である。2番目の論点は,把握されたJSL児童生徒の日本語能力の判定結果が学校で展開される教育実践にどのように生かされたのかという点である。3番目の論点は,JSLバンドスケールを導入したことによって,教育委員会や教員の意識にどのような変化が生まれたのかという点である。

発表は,JSL児童生徒500名以上の日本語能力をJSLバンドスケールによって4年間にわたり記録し,その結果をもとに教育実践を展開した,この支援システムの有効性と実践の要点を明らかにすることを目的とする。なお,本研究については共同研究者として中川智子氏(鈴鹿市立牧田小学校)の協力を得た。

口頭発表: 岡田朋美(友志会花の舎病院),宮崎里司「EPA看護師の国家試験合格後の課題 ― 国家試験後の日本語支援者の役割とは」

本研究は,看護師資格を取得したEPA看護師の現状を訴え,日本語の課題と支援者の役割について,アーティキュレーション(連携・連続性)の観点から問題提起を行うものである。2011年3月に看護師国家試験に合格し,4月より病院に勤務するEPA看護師4名,及び,受け入れ先の日本人看護師2名に対し,意識調査を行った。結果,EPA看護師は,国家試験前は情報の理解が中心だったが,国家試験後は的確に伝える力が必要だと感じていることがわかった。日本人看護師も「技術的なもの,知識的なものは持っている」と評価する一方で,医療分野では「正確さ,簡潔さ,適切さ」が求められることを指摘する。今後は,日本で働く一看護師として,現場を理解し,考え,自分の言葉で的確に表現することが必要となる。日本語支援者は,今後も引き続き,「間と間をつなぐ存在」として,専門家である日本人看護師と連携し,課題の共有を行っていく必要がある。

ポスターセッション: 中野玲子(墨田日本語教育支援の会)「外国人介護従事者に向けた日本語支援 ― 介護業界と地域のために」

(産学官連携で宮崎も委員として取り組んでいる「すみだ日本語教育支援の会」の報告です)

介護の日本語教育では,日本人配偶者ビザ等を保持する外国人介護従事者の存在に注目し,彼らを地域全体で支えていく仕組みを構築することが望まれる。

本研究では,外国人介護従事者の事例と東京都墨田区での「外国人介護従事者のための日本語支援教室」を紹介し,介護の日本語教育の対象者と目的を考察する。

外国人介護従事者の事例として,東京都墨田区の特別養護老人ホームに勤務する外国人介護従事者4名を対象に行った半構造化インタビューを紹介する。外国人介護従事者は,日常生活での会話中心の言語運用により「読み書き」に問題を抱えている。日本語支援教室では「漢字・文章・介護専門知識」の授業を開設した上で,地元の社会福祉法人やNPO法人も参加し,地域全体での日本語支援の仕組みを構築している。こうした活動は,外国人介護従事者の言語面での問題を解決し,介護業界の人材確保,地域の福祉力向上にもつながると考えられる。

なお,本研究については共同研究者として宇津木晶氏(墨田日本語教育支援の会)の協力を得た。

【受講者募集】早稲田大学エクステンションセンター
墨田区提携講座「21世紀のすみだからの発信―すみだ学へのいざない」

コーディネーター:宮崎里司

早稲田大学は、早慶レガッタなどを通じて深い縁続きの、墨田区をパートナーに選び、文化の育成・発展や産業振興、人材育成、まちづくり、学術等幅広い分野での相互連携を図る取り組みを展開してきました。一方、地域社会への貢献を探ってきた墨田区も、早稲田との産学官連携プロジェクトで協同歩調を取りながら、長年蓄積された多様な英知や見識を還元する土壌を構築してきましたが、2006年度から、墨田区による提携講座、「すみだ学」を開講するに至りました。選りすぐりの講師陣による、古くて新しい、「すみだの今」を学び、「すみだ通」になってみてはいかがでしょう。

チラシ

【受講者募集】日本語教育学会 平成24年度
「看護・介護分野における日本語教育集中研修講座」

日本語教育学会では平成24年度「看護・介護分野における日本語教育集中研修講座」を開講します。

  • 研修内容: 講義2時間×8コマ(担当:宮崎里司ほか)
  • 会場: 東京・大阪・広島の3会場それぞれで実施
  • 応募資格: 4年制大学卒業以上など
  • 受講料: 15,000円
  • 締切: 2012年6月1日(東京会場,広島会場),7月1日(大阪会場)

研修内容,申し込み方法,など詳しくは,募集要項をダウンロード[PDF]してご覧下さい。

【受講者募集】日本語教育実践ワークショップ
「外国人介護従事者のための日本語教育実践」

早稲田大学では,日本語教育公開講座に加え,昨年度から「日本語教育実践ワークショップ」を開講しており,介護関係では,外国人介護従事者のための日本語教育実践に関連したワークショップが開かれています。「外国人介護従事者のための日本語教育実践」は,EPAにより来日した介護福祉士候補生や,日本人配偶者ビザ等で働く介護ヘルパーについて,それぞれが抱える問題点を,日本語教育から考えるものです[> さらにくわしい内容]。

期間は,第1回:6月16日(土),第2回:6月23日(土),第3回:6月30日(土)で,現在,申込受付中です。お申し込みは,以下にアクセスの上,オンラインレジストレーションから行ってください。

【受講者募集】オンデマンド公開講座
「留学学習プランを考える(Think Ahead: Study Abroad and Language Learning)」

チラシだれでも,どこからでも受講できる早稲田大学日本語教育学オンデマンド講座では,2012年度から新たにBBSで双方向性もUPして「テーマ型」コースを開設します[チラシ:PDF]。うち,宮崎は「留学学習プランを考える(Think Ahead: Study Abroad and Language Learning)」を担当します。

  • 開講日程: 2012年5月21日~7月1日,11月5日~12月16日
  • 申込締切: 2012年10月14日
  • 受講料: 一般10,000円/学内者5,000円

講座内容

留学は,学習者の目標言語を向上させる最も効果的な方法と言われていますが,必ずしも身につくわけではありません。では,なぜ,目標言語はモノにならないのでしょう。そこには,学習者本人の問題とは別に,留学学習プランをデザインし実行する関係者全員の意識に潜む課題も見え隠れします。

このオンデマンド講座では,留学を通じて学習者の目標言語習得を考える上で,誰がどのような工夫をすべきかを,連続性や整合性を意味するアーティキュレーションや,自律学習,学習ストラテジー,ポートフォリオなどをキーワードに,6 週間にわたって考えます。内容は,スライドを使った講義で,その週の概要を把握した上で,留学経験のある日本人および外国人留学生へのインタビューを聴きながら,彼らの留学経験の問題点を探っていきます。また,毎回出されるタスクでは,皆さんの考えを,積極的に掲示板(BBS)に書き込んでもらい,講師や,皆さんの理解を深めるお手伝いをするメンターとともに,意見交換をしながら,効果的な語学留学プログラムとは何かを考えていきます。具体的には,以下のような内容で進める予定です。

  • 第1週 グローバル・アーティキュレーションとは
  • 第2週 自律学習を達成させる要素
  • 第3週 自律学習とポートフォリオ・自己モニター・自己評価
  • 第4週 出発前プログラム(Pre-departure Program)を考える
  • 第5週 留学中プログラム(In-country Program)を考える
  • 第6週 帰国後プログラム(Post-return Program)を考える・まとめ

また,このオンデマンド講座は,以下のような対象者に,ぜひ受講してもらいたいと考えています。こうした方々との間で,これからの「留学」を考え,どのように留学学習プランをデザインすべきかを語りあいましょう。

  1. 日本への留学を控えた海外の日本語学習者
  2. 日本の大学で外国語を学び,将来海外留学を希望する学生
  3. 留学予定者を教える・教えている語学教師(日本語教師,英語教師など)
  4. 留学生を送り出す担当者や受け入れる担当者
  5. 語学教育・語学学習に関心のある学部・大学院生

こちらから講座の内容を紹介したサンプル講座(プレ番組)がご覧いただけます。

受講方法

受講申込にはパンフレットに折り込まれている所定の振込用紙が必要です[パンフレットのご請求 ]。

お問い合わせ

早稲田大学大学院日本語教育研究科
〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-7-14
PHONE:+81-3-3204-9242
FAX:+81-3-3203-7672
E-mail:gsjal@list.waseda.jp

【講演記録】2012年2月25日,26日「全国郷土検定サミット」in那須で基調講演

2012年2月25日,26日に那須で開催された「全国郷土検定サミット」[チラシ:PDF]では,地域の文化や歴史などに関する知識を問う「郷土検定」を行っている全国36の団体が集まり,検定を通して郷土の素晴らしさを自覚し伝えていくことなどを盛り込んだ共同宣言[ポスター:JPEG]を発表しました。日本語教育にも,こうした地域について意識化することが必要との思いから,基調講演をお引き受けしたものです。講演では,検定は地域のへの自負心を育むが,検定合格者にその知識を生かして地域の取り組みに参加してもらう機会を作ったり,合格者の知見を丁寧に発信する必要があることなどを提言しました。

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【受賞報告】『ことば漬けのススメ』が第2回国際理解促進優良図書優秀賞を受賞

このたび,拙著『ことば漬けのススメ』(明治書院)が(財)国際言語文化振興財団の主催する第二回国際理解促進優良図書表彰の語学学習書部門の優秀賞を受賞しました[明治書院による報告]。この賞は「国際交流の促進および国際問題の理解に役立ち,国際コミュニケーションの発展に寄与する著書,翻訳書,および実用語学力の向上に貢献する語学指導書」に贈られる賞です。

表紙:『ことば漬けのススメ』
  • 宮崎里司【著】,ますざわ梨紗【まんが】
  • ISBN978-4-625-63408-6
  • 定価:1,050円(税込)
  • A5判,120頁,2010年5月明治書院より公刊[紹介ページ
  • 出版社による内容紹介:ことばを学ぶことに、苦手意識を持っている人は少なくないはず。先生や辞書がない環境で、ことばをマスターした外国人力士や外国人おかみは、一体どんな風にことばを身につけたのでしょう? はたまた、留学を最大限効果的に活用する秘訣など、語学のヒントをマンガで楽しく紹介。『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』の著者があなたのことばの学習を応援します!小学校での外国語教育や日本語教育に携わる方々にもオススメ。

【好評:2010年10月刊】
『日本語教育でつくる社会 ― 私たちの見取り図』

表紙:『日本語教育でつくる社会 ― 私たちの見取り図』
  • 日本語教育政策マスタープラン研究会【編】,宮崎里司(5章・9章担当)ほか【著】
  • A5版234ページ
  • ISBN:978-4-904595-10-7
  • 定価:1680円(税込)
  • ココ出版より2010年10月刊

目次

  • はじめに
  • 第1章 外国人と共に生きる社会 ― なぜ「日本語教育振興法」が必要なのか
  • 第2章 地域日本語教育システム(1)― コーディネーターと地域日本語教育専門家
  • 第3章 地域日本語教育システム(2)― 地域日本語教育センター
  • 第4章 日本語教育政策のマスタープランと国立日本語教育研究所
  • 第5章 義務教育のあり方と日本語教育 ― 教育基本法・教員免許制度
  • 第6章 言葉にかかわる権利を考える ― 言語学習権(日本語・母語)
  • 第7章 日本人と日本社会に対する日本語教育の貢献
  • 第8章 年少者(児童・生徒)に対する日本語教育
  • 第9章 企業・大学・行政・地域をつなぐ日本語教育
  • 第10章 地域力を育む日本語学校
  • 座談会 日本語教育には何ができるのか:田中克彦,池田香代子,今村和宏,木村哲也(司会)
  • この本の内容をよりよく理解するためのキーワード集
  • 日本語教育振興法案の骨子例

日本語教育振興法法制化WG(日本語教育学会)のWEBサイトで,一部内容が閲覧できます。