修士課程 31期生

2016年4月入学

黄惠民(コウ エミン,Huang Huimin)

中国浙江省出身です。私は中国と韓国の日本語学科で大学時代を送りました。両国の日本語教育を自分の目で見たり,授業を受けたりすることで,日本語また日本語教育に対する考えも少しずつ変化してきました。大学卒業後は中国の日本語学校で勤務したことがあります。仕事で様々な年齢の日本語学習者と接することができ,以前大学で学習しなかった教授法などを自分自身で発見し,模索していくことに努力をし続けましたが,段々自分の日本語または日本語教育に対する力不足を痛感し,更に学習する必要があると考え,来日しました。

来日して,早稲田大学の日本語教育研究センター及び日本語教育研究科の科目等履修生の総1年間の学習を通して大学院に進学しました。1年間で日本語教育への観念が随分変わりました。大学院で学習と研究を深め,卒業後はここでの学びなどを活かし,中国または他国の日本語学習者にも貢献したいと考えます。

研究内容

中国語を母語とする日本語学習者は日本語を学習する際に,よく「見ればわかるが,聞けばわからない」という現象が反映されています。彼らの聴解を向上させるため,コロケーションによる語彙提示に注目し,事前の単語レベルの語彙提示とコロケーションレベルの語彙提示を比較する実験を行い,聴解学習における有効性について検討します。

王雅格(ワン ヤグ,Wang Yage)

中国の陝西省出身です。小学校5,6年生の時に日本の小学校に編入し勉強しました。その時から日本が好きで日本語にも興味を持ち始めました。そして,大学は東京学芸大学で日本語教育と初等教育を主専攻として学びました。4年間,外国人児童生徒が在学している学校へ見学し,日本語学校も見学しました。外国人児童や留学生への日本語教育は今の時代において非常に重要な位置を占めていると十分感じています。それから,大学3,4年次に教育実習を経験し,教壇に立つのが初めてですが,教育実習を通してその魅力に引かれ,その場が好きになりました。「教える」ことの楽しさとやりがいがよく届いていました。そのため,大学卒業後,日本語教育を続けて学びたいと思って進学することを決めました。

早稲田大学大学院の日本語教育研究科に進学し,理論科目もあれば,実践科目があり,その中から,日本語教育の知識をさらに深めて学びました。特に実践の場に触れるチャンスが豊か,理論知識を応用する機会も多くあります。

修了後,今まで身につけた知識をこれからの職場で活かし,日本語教育事業に力を入れいたいと思っています。

研究内容

日本語の習得は,中国語を母語とした学習者にとって,漢字を使っているから簡単だと思われていないでしょうか。確かに,中国語も日本語も漢字が使われたり,漢字の語彙も多く使われ,便利な面があります。しかし,同じ漢字で表記した語彙(「日中同形語」)でも,日中両語の意味は同じ時もあれば,異なっている時もあります。その「便利さ」があるからこそ,母語干渉のため漢字で表記した日本語の言葉が正しく理解できないときが多くあると先行文献で指摘されました。

その現状に基づいて,研究内容は,中国語を母語とした日本語学習者を対象として,日中同形類義語の指導の試みとして,授業をデザインし,実際に授業を行ってみました。その結果は今後の日中同形類義語研究に役立てればと思っています。