修士課程 27期生

2014年春入学

金子貴博(カネコ タカヒロ,Kaneko Takahiro)

私は,学部時代,オーストリアに留学しました,その際,日本語クラスに参加させていただき,初めて日本語学習・教育に出会いました。今まで日本人が外国語を学ぶことが,世界とつながる唯一の方法だと考えていた私にとって,日本語教育という存在は,とても大きなものでした。何の知識・経験もありませんでしたが,日本語教育研究科に進み,勉強,研究の日々を送ることができました。

研究内容

  • 日本語オノマトペ語彙
学位論文
  • 金子貴博(2016).『日本語学習者に提示するオノマトペ使用の場面――共起語と使用場面のプロトタイプの調査から』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

櫻井良美(サクライ ヨシミ, Sakurai Yoshimi)

高校のプログラムで短期留学をした際に,同年代の日本語学習者と出会い,日本語教育に興味を持つようになりました。

大学院に進学してからは,国際交流基金のインターンシッププログラムで,シドニーにある日本語バイリンガル教育を行っている小学校で,ティーチングアシスタントとして半年間勤務しました。「日本語が好き」と笑顔で話してくれる生徒たちや,海外で日本語教育のために日々奮闘している先生方との出会いを通して,日本語教育にどのように貢献していけるか,ということを常に考え研究に励んでいます。

研究内容

海外の教育機関で活動する日本語授業のティーチング・アシスタントに関心があります。どのような要素があれば,ティーチング・アシスタントは有効に働くことができるのかについて研究したいと考えています。

学位論文
  • 櫻井良美(2017).『日本語ティーチング・アシスタント派遣プログラムの問題点と改善への提案』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

佐藤京子(サトウ キョウコ,Sato Kyoko)

青年海外協力隊の日本語教師隊員としてカンボジアに派遣されていました。たった一人ですべての業務をこなさなければならない状況におかれ,それまで経験したことがない,様々な問題に直面しました。「日本語を教える」とはどういうことなのか,教師に求められるものは何なのか,学習者にとって日本語を学ぶとはどういうことなのか,を真剣に考えるようになり,答えを見つけたいと早稲田大学大学院日本語教育研究科の門を叩きました。

実践の経験は多少あるものの理論との統合ができていないのではないか,と自身の力不足を痛感すると共に,大学院での理論科目を通して今まであまり目を向けなかった専門分野についても学ぶことができ,有意義な日々を送っています。修了後は本研究科での学びを世界の日本語学習者に向けて発信していくことを目標としています。

研究内容(興味のあるトピック)

外来語・やさしい日本語・言語習得・言語教育政策・多文化共生・地域日本語教育・年少者日本語教育

日本語学習者にとって,個々に必要な日本語と習得方法とはどのようなものか,について地域差や政策についても視野に入れながら研究していきたいです。

学位論文
  • 佐藤京子(2016).『外国人住民にとって災害時に必要な日本語支援――東日本大震災における福島県の事例から』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

業績

論文
  • 佐藤京子(2016).「書く」ことと「ことばの学び」をつなぐ実践とは何か――自己有能感を得られる児童主体の日本語支援を目指して『早稲田日本語教育学』20,89-98.
  • 佐藤京子(2015).外国人住民にとって必要な言語支援とは何か――東日本大震災における福島県の事例から『電子情報通信学会技術研究報告』115(238),29-34.
発表
  • 内海玲那,佐藤京子(2016年3月13日).「日本語学校における防災教育の再考――日本語指導の一環として」(ポスター発表)日本英語教育学会第46回年次研究集会(早稲田大学).
  • 佐藤京子(2015年10月4日).「外国人住民にとって必要な言語支援とは何か――東日本大震災における福島県の事例から」(口頭発表)電子情報通信学会「思考と言語研究会(TL)」(早稲田大学).
  • 佐藤京子(2015年10月3日).「防災・減災に向けた日本語支援の在り方――福島県に定住する帰国者の語りから」(ポスター発表)第110回次世代大学教育研究会(早稲田大学).

松山拓史(マツヤマ タクシ,Matsuyama Takushi)

日本語教育に興味を持ったのは,アメリカの大学で日本語クラスのTAとして勤務したことがきっかけです。TAとして学生の質問に答えたり,教えたりすることは難しくもありましたが,非常に楽しくもありました。このことがきっかけで,学部時代は言語学のゼミに所属していました。

日研では学部時代に得た言語学の知識をさらに深め,今度は日本語教育というフィールドにおいて,その知識と経験を還元できればと思っております。

研究内容

語彙学習全般,どのようにしたら語彙を効率よく学べるかに関心がありますが,現在は特に映像作品を使用した語彙学習やコロケーションに興味があります。

学位論文
  • 松山拓史(2016).『日本語学習者が映像作品から得る「発見」とは何か――ドラマ視聴による事例研究を通して』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

蔡宇淮(サイ ウカイ,Tsai Yuhuai)

台湾出身です。学部時代,交換留学制度を通じて約一年間日本へ留学をしていました。そこで異なる背景を持つ多くの日本語学習者と,留学先の日本人大学生と出会い,初めて日本語が飛び交う環境に置かれ,日本語を使わざるを得ない日々を送るようになり,気づかされることも多かったです。日本語を学ぶ動機としてはそれまでは資格の取得,つまり日本語能力試験のN1に合格することが目的ではあったが,実際に日本にくると教科書や試験問題と違う日本語に遭遇し,改めて日本語を学ぶことの意義を再考しました。日本語学習者はどのようにして日本語をより効率よく学び,到達目標に近づけることができるかに関心を持ち,大学院への進学を決めました。

研究内容

非母語話者である自分がよく戸惑うのは日本語における類義語の使い分けです。また,留学時多くの日本語学習者に接してきたなかで,人によって語彙の選び方に違いがあることに気づきました。学習者はどのように類義語を使い分けしているかを調べると同時に教師としてはどのように指導すべきかを考えていきたいと思っています。

学位論文
  • 蔡宇淮(2016).『日本語教育語彙における類義動詞グループの様相』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

高昌弘(コウ チャンホン,Ko Changhong)

韓国の済州島の出身です。小さい頃から日本に憧れていて日本語を学び,将来日本語教師になりたいと思い日本に来ました。2008年から2年間板橋にあるJET日本語学校を通い2010年に東京外国語大学(日本語科)に進学しました。外語大では主に日本語学と音声学を勉強しました。大学院の進学を考えた時に日本語をもう少し実践の立場で研究したいと思い,それに特化している早稲田大学大学院日本語教育研究科に入ることになりました。まだまだ勉強不足でわからないことが多いのですが,立派な研究者になれるように頑張ります。

研究テーマ

日本語と韓国語の普通体の使い方の違いについて研究しています。

学位論文
  • 高昌弘(2016).『韓国人留学生の日本語会話における普通体に対する理解』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文.