修士課程修了生:小宮千鶴子研究室 GSJAL日研-早稲田大学大学院日本語教育研究科

修士課程修了生:

曺 暑渟(チョウ ソジョン,Cho, SeoJung):2007年春入学 13期生

韓国の大邱(テグ)出身です。大学在学中に,先輩が交換留学生として日本に留学したことが,きっかけで日本語に関心を持ち始めました。日本に留学して日本語学校を経て,通訳・翻訳専門学校に入学して日本語の勉強をしましたが,日本語の勉強はすればするほど深くて,いくら勉強しても底が見えませんでした。思いついたのが,教える立場から勉強することでした。また,住んでいるところの周りをよく見ると,仕事で日本に来ているが,いろいろな事情で日本語の勉強ができない人たちがいることに気づきました。自分の日本語能力を高め,あの人たちに少しでも役に立ちたいということで,大学院の進学を決意しました。

研究テーマ

日本で働く,あるいは日本人と一緒に仕事しているが,時間的制限で日本語を習うことができない,貴金属業界の韓国人のための「専門語彙」の資料を作成することです。また,初級レベルから学習者の目的である貴金属「専門語彙」の教育実践を目指しています。

福田 誠(フクダ マコト):2007年春入学 13期生

早稲田の第一文学部を卒業し,日研にきました。学部時代は日本文学と日本語学について広く学んできました。大学院では日本語についてそれを教える立場から深く学んでいけたらと考えています。

研究テーマ

日本語の語彙とは何か。日本語の基礎になる語彙とはどのようなものか。またそれらを教える時はどのようにすればいいのかを研究していきたいと思っています。

游 能睿(ユウ ノウエイ,YU,Neng-jui):2006年秋入学 12期生

博士後期課程在籍中。

照山 法元(テルヤマ ノリモト):2006年春入学 11期生

学部生時代に「日本人が日本語で日本語を教える」という世界があることを知り,大学卒業後,日本語教師養成講座に通うことにしました。そして,養成講座修了後は日本語学校で教えていました。

大学院進学を決意したのは,この日本語学校での経験からです。上級レベルの学習者でも複合動詞が使えていないと感じたことがはじまりです。日本語教育の現場であまり教えられて来なかった分野だとも思っています。

修了後は,2008年9月から韓国外国語大学で会話の授業を担当しています。学生は,大学入学前から日本のドラマや漫画,歌などに親しんでおり,日本語で話すということを非常に楽しんでいる様子で,興味・関心は高いです。もちろん,就職のためという現実的な目標もありますが,日本語で話せる機会である会話の授業の時間を大切にしているようです。彼らの期待に応えられるよう,日々考えています。

研究テーマ

日本語教育において,中上級レベルでの複合動詞の体系的な指導が必要であると考える。

日本語学習者にとって,複合動詞の学習・習得は困難だと言われてきた。その理由として,指導時間の不足や指導法が確立していないことが挙げられるが,何より,指導する語さえ特定されていないという大きな問題があった。

そこで,複合動詞の中から「~出す」を取り上げ,日本語教育における複合動詞の指導語彙の選定を試みた。今後は,指導語彙の選定方法に改善を重ね,体系的な指導に向けて指導法の提案を行っていきたい。

学位論文
  • 照山法元(2008).『日本語教育における複合動詞「~出す」の指導語彙の選定』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

論文

  • 照山法元(2009).日本語教育における複合動詞「~出す」の学習語彙の選定『早稲田日本語研究』18,24-35.http://hdl.handle.net/2065/31360
  • 照山法元(2006).連語による重要語の指導について――語彙指導実習の内容と学習者の作成した文から『早稲田大学日本語教育実践研究』5,139-148.http://hdl.handle.net/2065/5750

発表

  • 照山法元(2008年7月5日).「日本語教育における複合動詞『~出す』の指導語彙の選定」早稲田大学日本語学会2008年度前期研究会(早稲田大学).

実践報告

黒岩 幸子 (クロイワ サチコ):2006年春入学 11期生

ふとしたきっかけで知った日本語教師という職業に強い興味を持ち,教師養成講座からスタートしました。現在までの教師経験のうち6年は海外の教壇に立つことができ,貴重な経験をさせていただいたと思っています。日本語母語話者である以上,私は日本語学習者の苦労というものを本当の意味では理解することはできませんが,異国で自分自身がマイノリティーとなった経験は,学習者を理解する助けとなっていると思います。

大学院では自分の研究テーマに取り組むほか,せっかくの学びの機会を大切に,興味のある分野を広く知るようにしていました。授業の中で感じる疑問をただおかしいと感じるだけではなく,なぜ疑問に感じるのか,なにが問題なのかを分析し,その後の実践につなげることができるようになったのが大学院で得た力だと感じています。

修了後は,早稲田大学日本語教育研究センター他,日本国内で日本語教育を行っていますが,いずれは海外での日本語教育に携わりたいと考えています。

研究テーマ

「文体」は学習者が身につけるのが難しいとされている。また,日本語教育で取り上げられることは少ない。修士課程では教育現場でよく用いられる「硬さ」という語を手がかりに,超級・上級の日本語能力を持つ非母語話者の文体意識の調査を行った。超級・上級の非母語話者の文章の「硬さ」に関する文体意識は母語話者に近づくことが明らかになったが,今後は中級の学習者への意識調査も行いたいと考えている。

学位論文
  • 黒岩幸子(2008).『文体を意識した日本語教育のために――文章の「硬さ」の調査を中心として』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

業績

論文
発表
  • 黒岩幸子(2008).文体を意識した日本語教育のために――文章の「硬さ」の調査から『早稲田大学日本語教育学会2008年春季大会 講演会・研究発表会 資料集』(pp.14-17).

本橋 啓子(モトハシ ケイコ):2005年秋入学 10期生

大学卒業後,県立高校の国語科教諭になる。在職中に県により派遣された中国の大学で初めて日本語教育に関わり,そのおもしろさに目覚める。その後,高校教諭を退職し,本格的に日本語教育の世界に入る。今までに,国内では大学,日本語学校,中国帰国者自立研修センターなどで,また海外では中国・トルコ・スリランカの大学などで日本語教育に携わる。

研究テーマ

作文指導,特に「推敲」に関心がある。学習者が推敲をどう捉えているか,教師の指導を受けない自己推敲は可能か,などについて研究してみたいと考えている。

論文

  • 本橋啓子(2006).学習者の読みを促進させる問いとはどのようなものか――中上級クラスでの読解問題の分析『早稲田大学日本語教育実践研究』4,71-80.[DOWNLOAD

來栖 里美(クルス サトミ):2005年春入学 9期生

大学卒業後,銀行に4年勤務していたのですが,もっとやりがいのある仕事がしたいと思い,これといったあてのないまま退職しました。退職後,たまたま宇都宮の日本語学校で事務職を募集しているというので面接に行き,そのまま,事務,非常勤,常勤と,5年もその学校にいすわってしまいました。日本語教師を始めたきっかけはほんの偶然と成り行きでしたが,始めてみるとその楽しさ,おもしろさにすっかりはまっていたのです。

大学院修了後は,就学生対象の日本語学校に非常勤講師として勤務しています。また,ビジネスマン向けの日本語学校でも教えています。大学院で学んだことを授業に結びつけ,授業の質を高めていきたいと日々心がけています。

修士論文のテーマ

「語彙の観点から文型の学習段階を再考する」というテーマのもと,移動の目的表現「~に行く」を例に研究を行った。

「~に行く」文型は,「たばこを買いに行く」「買い物に行く」のように,「行く」「来る」「帰る」といった移動動詞を伴い,その移動動作の目的を表現する。「~に行く」文型には,前者のように動詞の「ます形」と結びつくものと,後者のように名詞と結びつくものとがある。日本語教育では初級段階でこれらを同時に指導することが多いが,語彙の観点からその学習段階が妥当といえるかを,語彙的な制限と実際の使用例から検討した。

学位論文
  • 来栖里美(2008).『語彙の観点から文型の学習段階を再考する――移動の目的表現「~に行く」を例に』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

前坊 香菜子(マエボウ カナコ):2005年春入学 9期生

昔から言葉に興味を持っていましたが,日本語教師養成講座に通い始めたことが日本語教育との出会いです。日本語教育能力検定に合格してから,一年間はボランティアで,その後日本語学校で教えていました。また,日本語学校で教えるかたわら通った大学の卒業研究で誤用分析に取り組んだのですが,その際,学生の語の使い方に興味を持ち,日本語の語彙についてさらに深く考えたいと思い,大学院への進学を決意しました。

大学院に入学してからは,自分のテーマに関する研究をすると同時に,幅広い分野についても学ぶよう心がけました。仕事も続けていたため忙しい毎日でしたが,充実した2年間を過ごすことができました。

2007年3月に修士課程を修了し,現在は早稲田大学日本語教育研究センターで日本語講師として勤務しています。また,NPO日本語教育研究所においてJETプログラムの通信教育(言語・教育コース)の運営,財団法人海外技術者研修協会でのe-learningコースの学習支援などにも携わっています。

2009年から一橋大学言語社会研究科博士後期課程に進学しました。さまざまな文体の文章と語彙の文体的特徴との関連について研究したいと考えています。

修論のテーマ

学習者の語の選択に関して,主に「語の文体」に焦点を当てた研究を行った。

文章の文体と合わない語を使用すると読み手は違和感を抱く。ある程度の学習レベルになっても,文章の文体に適切な語を選択することは困難な場合が多い。その要因の1つとして,指導につながる「語の文体」に関する研究が十分ではない点が挙げられる。

本研究は,「言語」と「学習者」双方への調査を行うことにより,「語の文体」をめぐる問題点を明らかにすることを目的とした基礎研究である。まず,辞書と作文教材における「語の文体」の扱いを概観した。次いで,主にレポートで使用される副詞に焦点を当て,論文での使用実態とそれらの副詞に対する学習者の意識を調査した。今後も言語データと学習者への調査を継続して行い,最終的には指導に結び付けていきたいと考えている。

業績

論文
  • 前坊香菜子(2007).『日本語教育における「語の文体」をめぐる問題点――副詞を中心として』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
口頭発表
  • 原田康也・前坊香菜子・河村まゆみ・鈴木陽一郎・鈴木正紀(2008).授業のデジタル化――教員の暗黙知の共有化に向けてコンピュータでできること『平成20年度情報教育研究集会講演論文集』(pp.177-180).
  • 原田康也・前坊香菜子・河村まゆみ・前野譲二・楠元範明・鈴木陽一郎・鈴木正紀(2007).VALIS――学習者プロファイルに基づく学習者音声コーパス構築を目指して『情報処理学会研究報告――コンピュータと教育研究会報告』67,169-176.(コンピュータと教育研究会第88回研究会研究報告)[要約
  • 原田康也・前坊香菜子・河村まゆみ(2007).VALIS――英語学習者発話データの書き起こし『情報処理学会研究報告――コンピュータと教育研究会報告』69,1-8.(コンピュータと教育研究会第90回研究会研究報告)[要約
  • 原田康也・前坊香菜子・河村まゆみ・鈴木正紀(2007).VALIS――英語学習者のプロフィールと発話データの収集『電子情報通信学会技術研究報告――思考と言語 Technical Report of IEICE』TL2007(38),25-30.[要約
  • 前坊香菜子(2007).辞書における「語の文体」に関する一考察――位相注記の調査から『早稲田大学日本語教育学会2007年春季大会研究発表資料集』(pp.45-48)早稲田大学日本語教育学会.
  • 藤本かおる・前坊香菜子・児島秀和・春原憲一郎(2006).e-learningにおけるメールを使った学習支援(メンタリング)について――『WBT AOTS 日本語コース』の場合(Mentoring by the e-mail in e-learning: In the case of a WBT AOTS Japanese course.)『日本語教育方法研究会誌』13(2),40-41.(第27回日本語教育方法研究会:仙台国際センター)[原稿:PDF][ポスター:PDF
ポスター発表
  • 前坊香菜子(2009).語の文体的特徴に関して学習者はどのように認識しているか――類義語の副詞に対する調査から『日本語教育方法研究会誌』16(1),14-15.(第32回日本語教育方法研究会)[プログラム(p.3):PDF
  • 前坊香菜子(2008).レポートを書くときに学習者はどのように語を選択するのか――副詞を中心として『日本語教育方法研究会誌』15(1),16-17.(第30回日本語教育方法研究会)[プログラム(p.4):pdf
  • 前坊香菜子(2007).辞書における「語の文体」に関する情報――位相注記の調査から『日本語教育方法研究会誌』14(1),78-79.(第28回日本語教育方法研究会)[プログラム(p.10):PDF

朴 宣姬(パク ソンヒ):2004年秋入学 8期生

冬ソナで有名な韓国の春川出身です。韓国で大学を卒業し,日本に留学する前まで韓国にある日本語の塾で初級クラスを担当していました。来日後,専門学校で日韓通訳の勉強をしましたが,「日本語を学ぶ」「日本語を教える」の両方の経験から得られた様々な疑問から日本語教育について興味をもち,2004年早稲田大学大学院日本語教育研究科に入学しました。日本語学習者に対する語彙教育・語彙習得の研究が遅れていることから語彙教育研究の必要性を感じ,日本語教育における語彙学習・教育について理論と実践の両輪から勉強していきたいと思っています。

研究テーマ: 連語による類義動詞の使い分けに関する一考察――「和語」と「漢語」のペアを中心に

「選択する-選ぶ」,「覚える-記憶する」のような類義語は,日本語母語話者ならあまり迷うことなく,語の使用場面によって適切に使い分けることができるが,日本語学習者の場合,最初から類義語を使い分ける語感を身につけることは難しく,一語一語,語の意味,用法など語が用いられる使用情報を覚えていくことで養っていかなければならない。類義語の使い分けの手がかりとして連語(共起関係の相違)による違いを提案したい。

学位論文

  • 朴 宣姫(2006).『連語による類義動詞の使い分けに関する一考察――「和語」と「漢語」のペアを中心に』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

関心のある分野

  • 類義語の指導
  • 連語
  • 語彙習得

高邑 真弓(タカムラ マユミ):2003年秋入学 6期生

大学では外国語学部ドイツ語学科に所属していましたが,副専攻として日本語教員養成課程を履修しており,そのときから日本語教育に興味を持ち始めました。卒業後に1年半留学したドイツでは,半年間ドイツ語学校に通った後,大学に在籍し,意味論,語用論など言語学の授業をいくつか受講しました。幸い,アルバイトとして日本語テストの採点をしたり,講師の先生方の授業を毎回見学させていただくなど,留学中も日本語教育に関わることができました。また,最後の1学期はTAとしてTutoriumという自由参加の授業(1学期目と3学期目の学生対象)を2コマ受け持ちました。帰国後は,日本語学校で非常勤講師として1年間初級を受け持ち,同時に科目等履修生として,早稲田大学大学院日本語教育研究科で授業を履修していました。

2003年の9月に日本語教育研究科に入学し,2004年4月からは早稲田大学内における遠隔日本語教育や,付属高校の留学生に対する日本語授業などを担当しました。2005年9月に大学院を修了し,その年の9月から早稲田大学日本語教育研究センターで契約講師として中上級クラスを担当し,2006年4月からは初級クラスと中級クラスを担当しました。2006年3月から玉川学園でも台湾の高校生を対象とした遠隔日本語教育の初級クラスを担当しました。

2006年11月よりドイツ,バイエルン州にあるレーゲンスブルク大学の「言語・コミュニケーションセンターZentrum fuer Sprache und Kommunikation)」にて日本語講師(Lektor)として働いています。日本語教師は一名のみで,全学対象の日本語コースを一人で担当しています。UNIcert(ウニツェート)と呼ばれるドイツの大学共通の言語教育システムにのっとった初級クラスを5レベル(5クラス),それ以外に初中級クラス,発音クラス,また集中講義として日本文化入門クラス,会話クラスなどを担当しています。一学期目のクラスには定員30名のところを毎期40名以上が事前登録し,日本語学(Japanologie)がない大学でありながら,日本語に興味を持つ学生が多い大学と言えると思います。学生の興味をうまく引きながら,授業でいかに多くのことを学んでいってもらうか,また継続的に日本語を学びたいという意欲をいかに持たせるかが今の課題です。

研究テーマ: 中上級日本語学習者の辞書使用に関する一考察――ドイツ語母語話者を中心に

辞書は学習段階や目的に応じて効果的に使用することで語彙力を増やし,理解力・表現力の向上につながると考えられている。しかしながら,授業における学習者の辞書使用の扱いはそれぞれの教師の考えに任されているのが現状であり,学習者がどのように辞書を使用しているかという実態もまだほとんど調査・研究されていない。辞書を有効に活用するためには,辞書使用の実態およびそれに基づいた辞書指導を行う必要があると思われる。本研究では,日本語教師およびドイツ語母語話者である日本語学習者を対象とした意識調査,ドイツ語母語話者を対象とした辞書使用の実態調査を行った。

学位論文
  • 高邑真弓(2006).『中上級日本語学習者の辞書使用に関する一考察――ドイツ語母語話者を中心に』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

業績

論文
  • 高邑真弓(2008).日本語学習者向けWeb版日日辞書の編集に携わって――日本語学習者に対する辞書使用の意識調査の結果を踏まえて『日本語学習者のための多言語版辞書ツールの開発とその評価』(pp.111-118)平成18-19年度科学研究費補助金基盤研究(B)研究成果報告書(課題番号 18320083).
  • 高邑真弓(2006).複合語の翻訳における日本語学習者の辞書使用――ドイツ語を母語とする日本語学習者を中心に『早稲田大学日本語教育研究』8,77-91.
発表
  • 木原郁子・板橋貴子・河住有希子・高邑真弓(2005).遠隔日本語教育の一試み――ビデオ会議システムを用いた授業『日本語教育方法研究会誌』12(1),6-7.
  • 高邑真弓(2005年9月13日).「ドイツ語を母語とする日本語学習者の辞書使用実態――複合語の翻訳を中心に」早稲田日本語教育学会第6回研究発表会.
  • 高邑真弓(2005年11月12日).「ドイツ語を母語とする日本語学習者の辞書使用――複合語の翻訳を中心に」日本語教育学会研究集会第9回(東北地区).

三好 裕子(ミヨシ ユウコ):2003年秋入学 6期生

博士後期課程在学中

北川 幸子(キタガワ サチコ):2003年春入学 5期生

大学では日本語学科に籍をおき,日本語を母語ではなく,ひとつの言語として初めて学びました。卒業後,シンガポールにある日本語学校に専任講師として就職,初級・中級のクラスレッスンや上級の個人レッスン,また日系企業への派遣レッスンなどを担当しました。一年勤めた後,帰国し,準備期間を経て,早稲田大学大学院日本語教育研究科に入学しました。

大学院の2年間では教育の現場を経験したことで得た視点を持ちながら,改めて様々な理論を学び,充実した時間を過ごしました。

2005年-2007年
修士課程修了後,2005年より米国,アイオワ州にあるGrinnell Collegeにて二年間,客員講師を勤めました[実践報告]。早稲田大学はGrinnell Collegeの所属する私立大学連盟と提携しており,交換留学プログラムなどの交流もあります。
2007年-2008年
夏:早稲田大学夏期日本語講座(契約講師)
秋学期:EUビジネスマン日本研修プログラム(日本語チューター),京都外国語大学(非常勤講師)
2008年-2009年
春学期:京都アメリカ大学コンソーシアム(KCJS)(専任講師)
夏:早稲田大学夏期日本語講座(契約講師)
秋学期:滋賀大学(非常勤講師)
2009年-
京都産業大学(常勤契約講師)

研究テーマ: 「日本語教育における助数詞」

日本語教育では「1枚」「2人」などの[数詞+助数詞]による表現をひとつの学習項目として扱っており,日本語能力試験でも4級の段階から助数詞の語彙が取り入れられている。しかし,助数詞がつく数詞に和語系,漢語系の区別があり,数詞との組み合わせによって複雑な音変化が生じたり,また名詞の表す事物によって使い分けが必要であったりするため,日本語学習者にとってはやや負担の重い学習項目となっている。初級日本語教科書の多くでは,わざわざ助数詞の課を設け,取り立てて助数詞を指導してきたが,それにもかかわらず,学習者が言語行動の中でなかなか使用につなげられていない現状があるというのはなぜであろうか。近年の生活スタイルの変化などから,助数詞を使う機会そのものが減ったとも推測されようし,あるいは初級日本語教科書の中の「助数詞」と,実際の使用の中の「助数詞」との間に何らかのずれがあることに起因しているとも推測される。実態との比較調査などを通し,教科書でのよりよい取り上げ方など,日本語教育における助数詞の指導について広く提言を行っていきたい。

学位論文
  • 北川幸子(2005).『日本語教育における助数詞――ドラマの脚本の分析を通して』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要: PDF

業績

論文
  • 北川幸子(2008).初級日本語教科書とドラマの脚本に見られる助数詞「つ」の使用『無差(京都外国語大学日本語学科研究会)』15,97-109.
  • 北川幸子(2005).日本語教育における助数詞の扱いの問題点――助数詞「本」を例に『日本語教育方法研究会誌』12(1),54-55.[Download: PDF
発表
  • 北川幸子(2007年11月11日).「初級コースにおけるShort Movie Projectの可能性」第1回国際表現言語学会(早稲田大学).
  • 北川幸子(2007年8月19日).「タスク先行型ロールプレイを用いた授業―Independent Study Courseでの試み」関西OPI研究会第6回国際OPIシンポジウム(大学コンソーシアム京都).
  • 北川幸子(2005年3月24日).「助数詞「つ」の用法と数えられる事物―初級日本語教科書とドラマの脚本の比較」早稲田大学日本語教育学会2005年春季大会(早稲田大学)[Download: PDF
その他