三好 裕子(ミヨシ ユウコ)

2006年春入学

2006年3月に修士課程を卒業し,現在博士後期課程在学中です。同時に,日本語教師として,早稲田大学と日本語学校で教えています。日本語教師になる前は言語聴覚士という仕事をしていました。言語聴覚士というのは失語症や聴覚障害,子どもの言葉の遅れなど様々な言語障害の治療にあたる仕事ですが,治療に限界を感じ悩んだ末に,以前から興味を持っていた日本語教育の門をたたき,その面白さに惹かれて転身しました。心理学など言語聴覚士として学んだ知識を生かした研究をしていきたいと考えています。

「実際に使えるように言葉を覚える,あるいは指導するにはどうすればいいか」というのが,私の最大の疑問であり研究のテーマです。その答えの一つが,連語(コロケーション)で単語を教える(覚える)ことではないかと考え,連語による語彙指導の有効性を証明する実験を行い,結果を修士論文にまとめました。博士課程では,連語による語彙指導をより効果的なものとするには,どうすればよいのか,その具体的な方法を明らかにしようと考え,研究を行っています。

修士論文テーマ:日本語教育における連語による語彙指導の有効性

単語の意味理解を中心とした従来の語彙指導は,語を適切に使用できるようにするのには,不十分だと思われます。英語教育などでは,近年連語(コロケーション)と呼ばれる共起する語についての指導が重要視されてきていますが,日本語教育では,まだその有効性は実証されていません。そこで,連語による指導の効果を確かめるため,意味による指導と連語による指導を比較する実験を行いました。実験では,それぞれの指導法によって被験者に単語を学習させ,学習後に短文の空所に入る語を選択する問題をさせて,得点を比較しました。その結果,連語による指導によって学習した語のほうが,有意に高い得点を示し,意味による指導に比して,連語による指導が有効であることが実証されました。そして,このような結果になった理由について,実験後のアンケートやインタビューなどから考察を行い,まとめました。

業績

論文

  • 三好裕子(2012).動詞と共起する語のカテゴリー化を促す指導 ― 模擬授業における実践報告『日本語教育方法研究会誌』19(1),36-37.
  • 三好裕子(2011).共起表現による日本語中級動詞の指導方法の検討 ― 動詞と共起する語のカテゴリー化を促す指導の有効性とその検証『日本語教育』150,101-115.
  • 三好裕子(2007).連語による語彙指導の有効性の検討『日本語教育』134,80-89.
  • 三好裕子(2006).『日本語教育における連語による語彙指導の有効性』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
  • 三好裕子(2005).初中級クラスの一事例に見る語彙学習の問題『早稲田大学日本語教育実践研究』2,67-76.[Download

報告

  • 三好裕子(2008).日本語学習者用多言語版日本語辞書編集における上級語彙の意味記述の問題 川村よし子『日本語学習者のための多言語版辞書ツールの開発とその評価』平成18-19年科学研究費補助金研究成果報告書.

口頭発表

  • 三好裕子(2012年3月10日).「動詞と共起する語のカテゴリー化を促す指導 ― 模擬授業における実践報告」日本語教育方法研究会第38回研究会(国際基督教大学).
  • 三好裕子(2010年10月10日).「連語による中級の動詞の指導 ― 動詞と共起する語の範疇を考えさせる方法」2010年度日本語教育学会秋季大会(神戸大学).
  • 三好裕子(2008年6月28日).「連語による語彙指導の方法の検討 ― 学習者へのインタビューから明らかになったこと」第17回小出記念日本語教育研究会(東京:東京女子大学).[発表要旨『小出記念日本語教育研究会論文集』17,p.119]
  • 三好裕子(2006年6月17日).「連語による語彙指導の有効性の検討 ― 語の使用の面を中心に」日本語教育学会研究集会2006年度第3回研究発表(愛知:名古屋大学).
  • 三好裕子(2006年3月18日).「日本語教育における連語による語彙指導の有効性 ― 動詞の指導方法についての比較実験」早稲田大学日本語教育学会2006年春季大会(東京:早稲田大学).