大学院 担当授業
日本語教育実践研究(6)
中級後期の語彙指導
中級後期の語彙教育の方法を参与観察,討論,実習などを通じて実践的に学ぶことを目的とする。実習クラスの「使えることばの増やし方5-6」は,中級後期の学習者を対象とした週1回の授業で,表現語彙の拡充を目的とし,動詞の使い方を中心に指導する。
「日本語教育実践研究(6)」の受講生は,毎週の授業見学の後に授業に関する疑問点や問題点などを話し合い,翌週に授業見学レポートを提出する。コースの前半は実習クラスにおけるコンピュータによる連語指導の補助(1回),授業見学とテストの作成,宿題の添削を中心に行い,後半は重要動詞の連語指導の教壇実習を行う。実践研究の時間には,授業の疑問点や問題点についての討議,教壇実習のための教案検討と振り返りなどを行う。
教材
- プリント教材
参考文献
- 遠藤織枝・他(編)(1995).『日本語を学ぶ人の辞典』新潮社.
- 姫野昌子(監修)(2004).『研究社日本語表現活用辞典』研究社.
- 国際交流基金・国際教育支援協会(編)(2007).『日本語能力試験出題基準 改訂版』凡人社.
理論研究「語彙・意味論」
1.講義の目的
語彙教育は学習段階が進むに連れて重要性を増す分野で,近年のコンピュータ技術の発展を背景に進歩している。
この講義では,現代日本語の語彙について,語彙体系,基本語彙,語種,語構成,類義語,位相など,語彙・意味論の基本を学びつつ,日本語教育への応用を考える。受講生には,日本語を母語とするか否かにかかわりなく,日本語が実際にどのように使用されているかを用例から学ぶことを期待する。
2.講義予定
- 単語と語彙
- 語彙の体系
- 語彙量と基本語彙
- 語と語形
- 語種
- 語構成
- 語の意味
- 連語・慣用句
- グループ発表 「2級動詞の用法と例文作成」
- 擬音語・擬態語
- 語の意味の変化
- 語彙と社会
- 辞書
- 語彙教育
3.参考書
- 秋元美晴(2002).『よくわかる語彙』アルク.
- 国際交流基金・日本国際教育協会(2002).『日本語能力試験出題基準改訂版』凡人社.
- 国立国語研究所(1998).『語彙の研究と教育(上)』財務省印刷局.
- 国立国語研究所(1999).『語彙の研究と教育(下)』財務省印刷局.
- I.S.P.ネーション,吉田晴世・三根浩訳(2005)『英語教師のためのボキャブラリーラーニング』松柏社
4. 関連論文
- 小宮千鶴子(2005).日本語教育実践研究(5)――中上級日本語教育の実践『早稲田大学日本語教育実践研究』3,85-86.[Download]
- 小宮千鶴子(2005).日本語教育実践研究(5)――中上級日本語教育の実践『早稲田大学日本語教育実践研究』2,77-78.[Download]
- 小宮千鶴子(2004).日本語教育実践研究(5)――上級日本語教育の実践『早稲田大学日本語教育実践研究』1,57-58.[Download]
演習(ゼミ)
- 日本語の語彙に関する文献の講読
- 各ゼミ生の研究経過報告
- 日本語教育における語彙教材の分析
本演習では,日本語教育の語彙教育にかかわる語彙論・意味論などの先行研究を検討しながら,各自の研究課題をより明確なものとし,その課題を解決するための方法を先行研究のなかに探ることを目的とする。
参考文献
- 『新版日本語教育事典』大修館,2005
- 『現代日本語講座 第4巻 語彙』明治書院,2002