年少者日本語教育の現場と研究を結ぶネットワーク。
いま,日本国内ではJSLの子どもへの日本語教育が注目されています。また日本国外では外国語として日本語を学ぶ子どもが150万人以上います。さらに海外で暮らす日本人の子どもや日系の子どもが継承語として日本語を学んでいます。
これらの年少者日本語教育について,みなさんの研究を発表する場所としてこのフォーラムを開くことにしました。卒論,修士論文,博士論文だけではなく日頃の実践で考えたこと,感じたことなど,何でもまとめて発表し,関東圏の実践者相互の交流と連携を強めていく機会にしてほしいと思います。
どなたでもご参加できますので,どうぞふるってご参加下さい[事前登録不要・参加無料]。
年少者日本語教育における実践研究とは何かという問いは,実践者ならだれでも一度は考えたことのあるテーマではないでしょうか。
実践を報告する際には,「このような方法で実践を行った」という記述,「実践の結果,子どもはこのように変容した」という記述は重要です。しかし,特に,年少者日本語教育における実践では,この点だけにとどまることなく,実践者自身の気づきや変容を,実践者自身がどう捉えるのかも重要なテーマになると考えます。
実践をどのように語り,どのように伝えるか,そしてそれをどのように共有化するのでしょうか。ただ語るだけでは伝わりません。どのように伝わるか,なぜ伝わらないのかを振り返る必要もあるのではないでしょうか。そして,この実践者の内省を自己研修の要素として位置づけることも可能ではないでしょうか。
第6回研究集会では,具体的な実践報告を軸に参加者それぞれが「実践を語る意味」について考えてみたいと思います。また,全体討論において,実践の示し方について参加者とともに話し合ってみたいと思います。このふたつのセッションを通して,実践を語ることが実践研究としてどのように位置づくかを,深めたいと思います。
| 13:00~13:10 | 趣旨説明 | ||
| 第I部: 実践報告 | |||
|---|---|---|---|
| 13:10~13:30 | 実践報告(1) | 支援者の「内容」に対する意識と実践の変容過程 ― 短期滞在のJSL中学生に必要な日本語支援とは何かを考える / 井口翔子(早稲田大学大学院日本語教育研究科・修士課程)[発表原稿:PDF] | |
| 13:30~13:35 | 質疑応答…事実関係に関する質疑 | ||
| 13:35~13:55 | 実践報告(2) | 「情報へのアクセス」の観点からJSLの子どもの日本語支援を考える / 唐木澤みどり(早稲田大学大学院日本語教育研究科・博士課程)[発表原稿:PDF] | |
| 13:55~14:00 | 質疑応答…事実関係に関する質疑 | ||
| 14:00~14:25 | 実践報告(3) | 外国人児童と日本人児童の相互理解のための場づくり(仮題) / 花島健司(東京都港区立笄小学校) | |
| 14:25~14:30 | 質疑応答…事実関係に関する質疑 | ||
| 14:30~15:20 | 全体討論 | 報告者3名とフロアとで,質疑応答と討論を行います | |
| 第II部: 講演 | |||
| 15:30~16:30 | 講演 | 『実践を通して生まれること,実践を語り合うこと,実践を生かすこと』 / 當眞千賀子氏(九州大学大学院人間環境学研究院・教授)[講師プロフィール] | |
| 16:30~17:00 | 全体討論 | 講師,報告者,フロアで全体討論を行います | |
九州大学大学院人間環境学研究院教授。専門は発達心理学(臨床発達心理士)。
アメリカ合衆国マサチューセッツ州にあるクラーク大学(Clark University)で博士号(Ph.D.)を取得した後,カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UC Santa Cruz)でポストドクトラルフェローとして研究・教育活動を行う。その後,学術振興会特別研究員(ポストドック),国立国語研究所,茨城大学を経て,平成21年度より九州大学大学院勤務。 現場の人々とともに実践を形成していく過程の中に研究を織り込む方法として「形成的フィールドワーク」を提案し,異なる年齢の人々が互いに育み合うことを支える実践のあり方に着目した研究を,保育所や子育て支援センターなどさまざまな現場で展開している。また,児童養護施設や乳児院などの社会的養護の現場で子どもの発達を支える実践形成に携わっている。
「年少者の日本語教育」に関連する教育実践を発表する人を,若干名,募集します。
希望者は,発表要旨をA4一枚,1200字程度にまとめ,メールに添付して,下記へ送付してください。
国境を越えて移動する人々が地球規模で増加する中,日本においても「移動する子どもたち(Children Crossing Borders)」への教育を整備することが,喫緊の課題となっている。多様な背景をもつ子どもたちが,日本社会で疎外されることなく,力強く生きていくための「ことばの力」を育てなければならない。JSL(Japanese as a Second Language)教育の研究者として最前線でこの課題に取り組んできた編者たちが,オーストラリアにおけるESL(English as a Second Language)教育の理論と実践,異領域の専門家との対話を通して,新たな「ことばの教育」の理念と方法を模索する。
なお,本書は,2007年2月開催の国際研究集会『「移動する子どもたち」の言語教育』[WEBサイト]の研究成果である。