論文解題
アイデンティティ
鈴木一代 (2004) 「「国際児」の文化的アイデンティティ形成 ― インドネシアの日系国際児の事例を中心に」『異文化間教育』19号 pp.42-53
「国家と民族が異なる男女間に生まれた子ども」を「国際児」と定義し,彼らの文化的アイデンティティの形成について論じた論文である。
「国際児」は「越境」の機会が多く,多文化環境に身を置いているという特徴をもつ。この論文ではインドネシアの日系国際児の事例を取り上げながら日系国際児の教育問題について言及している。彼らのアイデンティティ形成に影響を与える要因をいくつか挙げ,彼らが「国際児としてのアイデンティティ」を形成していくための支援として日系国際児が海外でも日本語や日本文化の知識を習得できるような支援をすることが必要不可欠であると述べている。その具体例として,(1)補習校での支援,(2)日本での受け入れ制度,(3)日本の大学入学の際の優遇措置の3点を挙げているが,日本の文化や言語を習得することが国際児のアイデンティティ形成につながるのかには疑問が残る。(K.A)