論文解題

評価

石井恵理子(2001)「多言語環境にある子どもの言語能力の評価を考える」『多言語環境にある子どもの言語能力の評価』(日本語教育ブックレット1),pp.3-6.国立国語研究所

本論文はJSL児童生徒の日本語能力に対する「評価」とは何かについて根本的な問題提起を行っている点で傑出した論文である。すなわち,「測ろうとする言語能力とは何か」「能力を評価するとはどういうことか」「能力を評価する方法の適切さをどう考えるのか」など,重いテーマが指摘される。これらの子どもたちの言語能力評価に関する研究で,最初に読まなければならない論文であろう。(I)

川上郁雄(2003)「年少者日本語教育における「日本語能力測定」に関する観点と方法」『早稲田大学日本語教育研究』第2号.Pp.1-16.

本論文は「日本語指導が必要な児童生徒」という捉え方への問題提起に始まり,「日本語能力測定」に関する先行研究を批判的に検討し,これらの子どもたちの「日本語能力測定」の「動態的」「指導的」観点の導入を提起した論文である。そのうえで,「測定基準」の具体的なフレームワークを示しており,その後に展開されるJSLバンドスケールの基本的な考え方を理解するうえで必読の論文である。(I)