論文解題

学校文化

恒吉僚子(1996)「多文化共存時代の日本の学校文化」堀尾輝久編『講座学校(6)学校文化という磁場』第7章 柏書房 pp.215-240

筆者は日本の学校文化は一斉共同体主義であると批判し,それは日本の学校文化に初めて触れる外国の子どもたちの登場による多文化化現象によって浮き彫りにされると分析している。多文化共存時代を迎えつつある今を転換期として捉え,よりグローバル化した将来活躍する子どもたちのために,日本の学校教育の一つのあり方を示唆している。(P)

児島明(2001)「ニューカマー受け入れ校における学校文化『境界枠』の変容―公立中学校日本語教師のストラテジーに注目して―」『教育社会学研究』69号 pp.65-82

学校現場において日本語教師は学校文化とニューカマーの子どもたちの文化の間に立ち,その中で日本語教師自身の立場を位置づけなければならない。その日本語教師を観察しながら,二つの文化が変容してく様を「境界枠」という概念を用いて考察している。日本語教師と日本語を母語とする児童,日本語を母語としない児童,担任,他の教職員,学校との関係など,様々な関係が変容する様を日本語教師の側からダイナミックに報告している点が興味深い。(M)