論文解題

インターナショナル・スクール

長沢房枝(1986).在日インターナショナル・スクールにおける日本語教育 ― ASIJを中心に『日本語教育』58,195-202.

1980年代インターナショナル・スクールに通う児童生徒の言語文化的背景と,ASIJでの日本語プログラムの位置付け,授業内容の説明と問題点を筆者の勤務経験から述べている現場報告的論文である。本論文の優れた点は,文化教育に対する批判をし,ことばを学ぶ意味は,人間形成上あるいは21世紀を担う子ども達に必要なものとして捉えていることである。(M)

吉岐久子(1988).年少者に対する日本語教育の現状と課題『日本語教育』66,98-109.

本論文は,日本国内に在住する外国人児童生徒の現状を,アメリカン・スクール・イン・ジャパン(ASIJ)を中心にまとめたもので,日本語教育の中で年少者の問題がほとんど取り上げられていなかった当時に,年少者日本語教育に関して取り扱ったものとして意義がある。ただし,当時のASIJでの年少者日本語教育の現状と諸問題を明示しているが,それが問題提起にとどまっており,その問題に対する筆者の立場や考えが示されていない点が残念である。(M)