年少者日本語教育実践研究 vol.8 (2007)

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表紙
  1. はじめに
  2. 第一部 実践理論編
    • 子どもの主体性を活かした「ことばの学び」をデザインする ― 「手紙絵本プロジェクト」の実践から / 尾関史
    • JSL生徒の「主体的な学び」をどのように捉えるか ― 日本語読解支援における垂直的相互作用への注目 / 小林美希
    • 在籍クラスの学びに参加するための日本語支援の試み ― 書く活動を通して考える力を育成する / 中川智子
    • 「学校で学習できない子どもたち」に寄り添って ― スキャフォールディングを視点に「早稲田モデル」実践を考える / 河上加苗・引地麻里
  3. 第二部 実践研究編
    • 教科書を使用した日本語支援 ― 在籍学級への橋渡しとしての実践から(対象学年:小4) / 岩本真理子
    • N中学校での放課後支援 ― レベルの異なる複数名の子どもへの支援(対象学年:中1) / 諏訪直子
    • JSL生徒が自己実現できるコミュニティづくりを考える(対象学年:中2) / 田邉裕理
  4. 「わにっ子クラブ」報告
    • 第8回わにっ子ワンデイキャンプ報告 / 小林美希・中川智子

はじめに

本報告書は早稲田大学大学院日本語教育研究科の実践研究科目「年少者日本語教育実践研究」(2006年度秋学期)の実践レポート集である。

この報告書は,2003年度春学期に発刊した「年少者日本語教育実践研究 No.1」から続く8冊目の報告書である。この報告書の目的は,早稲田大学大学院日本語教育研究科で初めて開設された科目「年少者日本語教育実践研究」の実践研究の記録を残すとともに,「実践の理論化」を進めることにある。今回は,第一部「実践理論編」に4本のレポートを配した。それぞれ自分の実践を踏まえて実践の理論化を深めようとしている。続く第二部の「実践研究編」には3本のレポートが掲載されている。それぞれ自らの実践を振り返り,考察を加えている。この報告書に掲載されるレポート以外にも,日本語教育ボランティアとして指導を行いつつ,修士論文を書き上げた院生も,今期中にいたことを記しておきたい。

早稲田大学大学院日本語教育実践研究は,実践と研究を一体化させるところに特徴がある。年少者日本語教育の場合も同様であるが,地域の学校と教育委員会と大学という3者を結ぶ実践研究教育モデル,「早稲田モデル」を継続していきたいと思っている。このモデルは,単なるボランティア派遣システムではない。日本語教育実践を通じて,参加者の実践力と研究力を深めると同時に,協働的実践研究共同体を形成し,教育者としての資質を向上させる教員養成システムとして機能している。

このようなことができるのは,新宿区教育委員会,区立小中学校の先生方,関係者のご協力とご理解があるからである。ここに改めて感謝を申し上げる。また,われわれの拙い実践研究につきあってくれる「日本語を母語としない子どもたち」にも感謝したいと思う。「わにっ子クラブ」の活動もあわせて,年少者日本語教育学の構築へ向けて今後も努力を重ねていきたいと思う。

なお,これまでの実践研究にもとづく研究成果を『「移動する子どもたち」と日本語教育―日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える』(川上郁雄編著,明石書店)にまとめ,2006年10月に刊行した。本実践レポート集と合わせてご覧いただき,忌憚のないご意見,ご教示を賜れば幸いである。

2007年3月
早稲田大学大学院日本語教育研究科
年少者日本語教育担当 川上郁雄

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