年少者日本語教育実践研究 vol.6 (2006)

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  1. 表紙はじめに
  2. 第一部 実践理論編
    • JSL生徒への高校入試作文支援において必要な視点――明日「一人」で書くためのスキャフォールディング / 山﨑遼子
    • 生徒のコミュニケーション能力を育成するための日本語支援――日本語支援教室における発話指導の考察を通じて / 裔 立苒
  3. 第二部 実践研究編
    • 「学びたい内容」から「学ぶ力」を育成するための日本語支援(対象学年:小1) / 引地麻里
    • 「知らない」「わからない」のストラテジー――書くことへの試み(対象学年:小4) / 河上加苗
    • 算数の学習を通した日本語支援(対象学年:小5) / 青木優子
    • 子どもの興味・関心を生かした日本語指導――「演劇」に関することを使用した試み(対象学年:中1) / 岩本真理子
    • 協働を意識した絵本作りと新聞作りの取り組み――人との関係性の中でことばを学ぶ / 渡邊千奈津・青木優子・裔立苒・韓萬基・山﨑遼子・岩本真理子・河上加苗・引地麻里(早稲田子ども日本語クラブ)

はじめに

本報告書は早稲田大学大学院日本語教育研究科の実践研究科目「年少者日本語教育実践研究」(2005年度秋学期)の実践レポート集である。

この報告書は,2003年度春学期に発刊した「年少者日本語教育実践研究 No.1」から続く6冊目の報告書である。この報告書の目的は,早稲田大学大学院日本語教育研究科で初めて開設された科目「年少者日本語教育実践研究」の実践研究の記録を残すとともに,「実践の理論化」を進めることにある。今回は,第一部「実践理論編」に2本のレポートを配した。それぞれ自分の実践を踏まえて実践の理論化を深めようとしている。続く第二部の「実践研究編」には5本のレポートが掲載されている。この5本の中には,表紙にある「わにっ子ワンデイキャンプ」の実践(過去6回実施)にもとづく実践研究レポートも含まれている。さらに,この報告書に掲載されるレポート以外にも,日本語教育ボランティアとして指導を行い,その実践研究をもとに修士論文を書き上げた院生たちも,今期中に複数いたことを記しておきたい。

早稲田の日本語教育実践研究は,実践と研究を一体化させるところに特徴がある。年少者日本語教育の場合も同様であるが,地域の学校と教育委員会と大学という3者を結ぶ実践研究教育モデル,「早稲田モデル」を継続していきたいと思っている。

このようなことができるのは,新宿区教育委員会,区立小中学校の先生方,関係者のご協力とご理解があるからである。ここに改めて感謝を申し上げる。また,われわれの拙い実践研究につきあってくれる「日本語を母語としない子どもたち」にも感謝したいと思う。「わにっ子クラブ」の活動もあわせて,年少者日本語教育学の構築へ向けて今後も努力を重ねていきたいと思う。

本教育実践に関して関係各位の忌憚のないご意見,ご教示を賜れば幸いである。

2006年3月
早稲田大学大学院日本語教育研究科
年少者日本語教育担当
川上郁雄

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