『年少者日本語教育実践研究』vol.4 (2005)

はじめに

本報告書は早稲田大学大学院日本語教育研究科の実践研究科目「年少者日本語教育実践研究」(2004年度秋学期)の実践レポート集である。

この報告書は,2003年度春学期に発刊した「年少者日本語教育実践研究 No.1」から続く4冊目の報告書である。この報告書の目的は,早稲田大学大学院日本語教育研究科で初めて開設された科目「年少者日本語教育実践研究」の実践研究の記録を残すとともに,「実践の理論化」を進めることにある。今回は,第一部「実践理論編」に4本のレポートを配した。それぞれ自分の実践を踏まえて実践の理論化を深めようとしている。続く第二部の「実践研究編」には3本のレポートが掲載されている。この報告書に掲載されるレポート数としては,今回は少ない印象を与えるかもしれないが,実際に日本語教育ボランティアとして指導を行っていた院生はこれよりも多かった。ここに掲載されていない実践は,それぞれの修士論文の中にその実践の成果が反映されていると考えていただきたい。

早稲田の日本語教育実践研究は,実践と研究を一体化させるところに特徴がある。年少者日本語教育の場合も同様であるが,地域の学校と教育委員会と大学という3者を結ぶ実践研究教育モデル,「早稲田モデル」を継続していきたいと思っている。

このようなことができるのは,新宿区教育委員会,区立小中学校の先生方,関係者のご協力とご理解があるからである。ここに改めて感謝を申し上げる。また,われわれの拙い実践研究につきあってくれる「日本語を母語としない子どもたち」にも感謝したいと思う。表紙にあるような「わにっ子クラブ」の活動もあわせて,年少者日本語教育学の構築へ向けて今後も努力を重ねていきたいと思う。

本教育実践に関して関係各位の忌憚のないご意見,ご教示を賜れば幸いである。

2005年3月
早稲田大学大学院日本語教育研究科
年少者日本語教育担当
川上郁雄

もくじ

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第一部 実践理論編

  • 新宿区における「日本語教育ボランティア」活動とJSLバンドスケールの意義――大久保小学校の調査と実践を通じて / 川上郁雄[DOWNLOAD: PDF
  • JSL児童の「読む」力と「自己有能感」を育成するための一試案――「発達」的見地からJSL児童への日本語指導を考える / 森澤小百合[DOWNLOAD: PDF
  • 定住型児童の「読み能力」育成をめざして――「イメージ化」を取り入れた授業実践から見えてくること / 籔本容子DOWNLOAD: PDF

第二部 実践研究編

  • 文字へ親しむ指導――“書く“活動へ繋げるために(対象学年:小3) / 山田初[DOWNLOAD: PDF
  • 言語能力の把握から,支援が始まる――取り出し指導で,何をすべきか(対象学年:中1) / 渡辺千奈津[DOWNLOAD: PDF
  • 「わにっ子クラブ」報告――遊びから学びへ:第4回ワンデイキャンプ活動報告 / 渡辺啓太・森澤小百合・鐘珮禎・相馬森佳奈・荻野裕子・籔本容子・山田初・渡辺千奈津[DOWNLOAD: PDF