2008年9月 日本語教育支援システム研修会 報告書

鈴鹿市立 飯野小学校

訪問日:2008年9月18日

1.概要

飯野小学校は「知と愛をもち,命と根っ子を大切にする児童の育成」を学校教育目標に掲げ,様々な教育実践を行っている。その中の一つが日本語教育支援システムである。全児童数612名のうち,36名の日本語を第二言語とする(Japanese as a second language,以下JSL)児童が在籍しており,そのうちの17名に対して日本語支援が行われている。日本語支援担当の教員はおらず,特別支援学級担任の教員ら3名が日本語支援教室「わかばルーム」で指導を行っている。

2.「わかばルーム」見学

「わかばルーム」では,45分間の中でできるだけ「聞く」「話す」「読む」「書く」の四技能にわたる学習を取り入れようと心がけている。一回の授業につき5,6個の活動が盛り込まれており,45分間集中して子どもたちが活動に取り組んでいる姿を見ることができた。この「わかばルーム」の授業で特に印象的だったのは教材・教具である。「わかばルーム」を主に担当している教員は,特別支援学級の教員であるため,特別支援学級用の教材・教具を上手く日本語支援に応用していた。

3.在籍学級見学

2クラスの授業の見学を行い,担任のJSL児童に対する様々な配慮を見ることが出来た。どちらのクラスも,一人ずつ在籍学級の教科学習への参加が困難なJSL児童が在籍していたが,自然と子どもたち同士で助け合う事が出来る教室づくりが行われていた。例えば,テストの問題演習を行う際に,早く終わった子から採点係として,まだ終わっていない子を教えるというルールがあり,JSL児童だからという特別な理由は関係なく,子どもたち同士で教えあう姿が印象的だった。また,もう一つのクラスでは,まだ来日して2日のJSL児童が在籍しており,その児童が発言した際に担任から,「『良いです。』と,大きな声で言わなかったら彼女に伝わらない。みんなが伝えなければ彼女は日本語を覚えられない」という声かけがあった。このようにクラスのみんなで日本語サポートに取り組もうとする姿勢はすばらしいものだと感じた。

4.感想

日本語支援担当の教員がいない学校であったが,他の教職員と児童が日本語支援に取り組んでいる精力的な学校であると感じた。各教員がそれぞれの専門知識や経験を活かして取り組んでおり,この興味深い取り組みは日本語支援の知見だけで考えがちであった報告者の視野を大きく広げるものとなった。飯野小学校では,幼稚園・小学校・中学校の連携にも力を入れている。この日本語支援システムも幼・小・中と連携して行われることを期待したい。

(報告者: 野口ひとみ