大学院科目:年少者日本語教育演習

本演習のねらい

春学期は,日本国内の初等・中等教育レベルの年少者日本語教育の理念と方法について考える。

秋学期は,海外の初等・中等教育レベルの学習者を対象にした日本語教育の理念と方法について考える。その例としてオーストラリアを取り上げる。

春学期:日本国内の初等・中等教育レベルの年少者日本語教育

第1回

ガイダンス

第2回

  1. 川上郁雄(1997).ジョニーはアメリカからやってきた ― 外国人子女の教科指導と日本語教育の課題 宮城教育大学国語国文学会(編)『国語科の新しい授業を創る』明治図書.
  2. 市瀬智紀(1997).中国帰国生徒のために ― 学習背景と日本語指導 宮城教育大学国語国文学会(編)『国語科の新しい授業を創る』明治図書.
Q

1.から,あなたが研究したいテーマを抽出せよ。

2.から,「日本語を母語としない子」に日本語指導をする場合,どのような情報が必要か。

第3回

  1. 長沢房江(1986).在日インターナショナル・スクールにおける日本語教育 ― ASIJを中心に『日本語教育』58.
  2. 吉岐久子(1988).年少者に対する日本語教育の現状と課題『日本語教育』66.
  3. 川上郁雄(1991).在日ベトナム人子弟の言語生活と言語教育『日本語教育』73.

第4回

  1. 野山広(1995).日本語教育と多文化主義 ― 外国人児童・生徒への第二言語としての日本語教育の確立を目指して『世界の日本語教育』5.
  2. 関口明子(1994).日本定住児童の日本語教育 ― インドシナ難民児童の多様な言語背景と日本語習得『日本語教育』83.
  3. 縫部義憲(1993).児童日本語教育学の構築に向けて(1)現状と課題 ― 広島県を中心に『広島大学教育学部紀要 二部』42.

第5回

  1. 西原鈴子(1996年2月).外国人児童生徒のための日本語教育のあり方『日本語学』15.
  2. 岡崎敏雄(1995).年少者日本語教育研究の再構成『日本語教育』86.
  3. 池上摩希子(1994).『中国帰国生徒』に対する日本語教育の役割と課題 ― 第二言語教育としての日本語教育の視点から『日本語教育』83.

第6回

  1. 岩沢正子・高石久美子(1994).『算数』の教科学習を助ける日本語テキスト試案『日本語教育』83.
  2. 池上摩希子(1999).実践報告 ― センター小学校低学年クラスにおける算数プログラムの設計『中国帰国者定着促進センター紀要』7.
  3. 池上摩希子(1998).児童生徒に対する日本語教育の課題・再検討 ― 研究ノート『中国帰国者定着促進センター紀要』6.

第7回

  1. 岡崎眸(1994).内容重視の日本語教育 ― 大学の場合『東京外国語大学論集』49.
  2. 齋藤ひろみ(1998).内容重視の日本語教育の試み ― 小学校中高学年の子どもクラスにおける実践報告『中国帰国者定着促進センター紀要』6.
  3. 齋藤ひろみ(1999).教科と日本語の統合教育の可能性 ― 内容重視アプローチを年少者日本語教育にどのように応用するか『中国帰国者定着促進センター紀要』7.

第8回

  1. 矢崎満夫(1998).外国人児童に対する教科学習支援のための日本語教育のあり方 ― 算数文章題におけるストラテジー運用の考察から『日本語教育』99.
  2. 齋藤ひろみ(2000).帰国児童・生徒クラスの『日本語と教科の統合学習』における教室会話の分析『中国帰国者定着促進センター紀要』8.
  3. 齋藤ひろみ(2001).「学習」を支える日本語能力の育成に向けて『世界をひらく教育(全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会)』23.

第9回

  1. 野山広(2000).地域社会における年少者への日本語教育の現状と課題 山本雅代(編)『日本のバイリンガル教育』(pp.165-212)明石書店.
  2. 佐藤郡衛(2001).外国人の子どもの異文化適応と学校における多文化共生の取り組み『国際理解教育 ― 多文化共生の学校づくり』明石書店.
  3. 佐藤郡衛(2001).外国人の子どもの学習保障とカリキュラム開発『国際理解教育 ― 多文化共生の学校づくり』明石書店.

第10回

  1. 太田晴雄(1996).日本語教育と母語教育 ― ニューカマー外国人の子どもの教育課題 宮島喬・梶田孝道(編)『外国人労働者から市民へ』(pp.123-143).
  2. 太田晴雄(1998).学校言語を母語としない子どもの教育 ― アメリカの場合 中島智子(編)『多文化教育多様性のための教育学』(pp.33-59)明石書店.
  3. 太田晴雄(2002).教育達成における日本語と母語 ― 日本語至上主義の批判的検討 宮島喬ほか(編)『国際社会(2)変容する日本社会と文化』(pp.93-118)東京大学出版会.

第11回

  1. 中島和子(2001).『バイリンガル教育の方法』9章,アルク.
  2. 中島和子(2001).『バイリンガル教育の方法』10章,アルク.
  3. 中島和子/ロザナ・ヌナス(2001).『日本語獲得と継承語喪失のダイナミズム ― 日本の小・中学校のポルトガル語話者の実態を踏まえて』(リンク

第12回

  1. 志水宏吉(1996).学校=同化と排除の文化装置 ― 被差別部落民の経験から『子どもと教育の社会学』(pp.57-77)岩波書店.
  2. 児島明(2001).ニューカマー受け入れ校における学校文化『境界枠』の変容 ― 公立中学校日本語教師のストラテジーに注目して『教育社会学研究』69,65-83.
  3. 恒吉僚子(1996).多文化共存時代の日本の学校文化 堀尾輝久ほか(編)『講座学校(6)学校文化という磁場』(pp.215-240)柏書房.

第13回

  1. 一二三朋子(1996).年少者の語彙習得過程と言語使用状況に関する考察 ― 在日ベトナム人子弟の場合『日本語教育』90.
  2. 松本恭子(1999).ある中国人児童の来日1年間の語彙習得 ― 発話資料のケーススタディ:形態素レベルの分析『日本語教育』102.
  3. 生田裕子(2001).ブラジル人中学生の語彙の発達 ― 作文のタスクを通して『日本語教育』110.

第14回

  1. 中尾珪子・森下淳也(2001).年少者中級日本語教育における読解スキル指導のための小学校教科書の文章構成の解析『国際文化学』4,133-151.
  2. 宇都宮裕章(2003).学びの活性化と教育観 ― 年少者日本語教育支援によせて『日本語教育』116.
  3. 伊東祐郎(1999).外国人児童生徒に対する日本語教育の現状と課題『日本語教育』100.

その他

  • 修士論文テーマに関する個人発表
  • 川上ゼミ:修論発表会,中間報告など

秋学期:海外の初等・中等教育レベルの学習者を対象にした日本語教育

第1回

ガイダンス

第2回

オーストラリアの言語教育政策について

  • Lo Bianco, J. (1987). National Policy on Languages. Canberra: Commonwealth Department of Education.

第3回

  1. ネウストプニー,J. V.(1976).オーストラリアの中等教育レベルにおける日本語教育の現状と課題『日本語教育』30.
  2. カッケンブッシュ・寛子(1988).学習者の多様化に応えるオーストラリアの日本語教育『日本語教育』66.
  3. クラーク,ヒュー(1994).オーストラリアにおける日本語教育 ― その政策,実践,展望『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』1.

第4回

  1. 川越菜穂子(1989).オーストラリアの日本語教育 ― クィーンズランド州のセカンダリースクールの日本語教師に対する調査からの報告『日本語教育』67.
  2. 川上郁雄・藤長かおる(1995).オーストラリアの初等・中等教育における日本語教育 ― クィーンズランド州における経験から『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』2.
  3. 川上郁雄 (1998).オーストラリアの日本語教育の不幸 ― 1990年代の動向と課題『宮城教育大学紀要』33.

第5回

  1. コーベニ・澤子(1993).オーストラリア初等・中等レベルにおける日本語教師再教育プログラム ― 西オーストラリアの実例を中心に『日本語教育』80.
  2. 加藤久美(1999).オーストラリアにおける日本語教育実習生『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』5.
  3. Pitt, M.(1999).ヴィクトリア州におけるLOTEプログラム ― 日本語教育の現状と教員養成・現職研修『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』5.

第6回

  1. 芳賀浩(1995).オーストラリアの中等教育レベルにおける日本語教育のカリキュラム・ガイドライン『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』3.
  2. Akahane, M. S., & Jonak, C. (1997). Language education policy for Australian schools: Implications for Japanese language education.『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』4.
  3. 齋藤享子(2000).オーストラリアにおける『異文化間教育としての外国語教育』カリキュラム開発の論理 ― ALLガイドラインの検討を中心にー『日本語教育』107.

第7回

  1. 宮脇弘幸(2001).オーストラリアの多文化存在と言語政策『宮城学院女子大学人文社会学研究所・人文学論叢』10,1-28.
  2. 松尾知明(1999).文化的多元主義から多文化主義へ ― 多文化教育のパラダイム転換へ向けて『浜松短期大学研究論集』55,103-120.
  3. 見世千賀子(2000).オーストラリア ― 多文化社会に向けた公教育の再構築 江原武一(編)『多文化教育の国際比較 ― エスニシティへの教育の対応』(pp.176-208)玉川大学出版部.

第8回

  1. ロ・ビアンコ, J.(1995).オーストラリアの言語・多文化政策の幅広いコンテクストのなかの日本語『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』3.
  2. 川上郁雄(1999).オーストラリアのマルチカルチュラリズムと日本語教育『宮城教育大学紀要』34.
  3. 鈴木京子(2002).多文化教育とLOTE教育の構築に向けて ― オーストラリアの日本語教育における近年の動向に関する一考察 日本言語文化学研究会(編)『第二言語習得・教育の研究最前線 ― あすの日本語教育への道しるべ』(pp.337-352).

第9回

  1. Nagata, Y. (1998). The study of culture in Japanese: Towards a more meaningful engagement with Japanese language studies. In B. Nicolette, &ammp; N. Hanamura (Eds). Issues in teaching and learning of Japanese. ARAL Series number 15 (pp. 93-104).
  2. 川上郁雄(1999).「日本事情」教育における文化の問題 「21世紀の『日本事情』」編集委員会(編)『21世紀の「日本事情」 ― 日本語教育から文化リテラシーへ』1,くろしお出版.
  3. 川上郁雄(2000).転換期の日本語教育『宮城教育大学紀要』35.

第10回

  1. Lo Bianco, J. (2000). "After the tsunami, some dilemmas Japanese language studies in multicultural Australia."『日本語学・日本語教育学研究国際シンポジウム 報告書』(pp.105-126)名古屋外国語大学.
  2. White, K. & 嘉数勝美(2001).オーストラリアにおける言語政策とその展望 ― 外国語教育政策と日本語教育『世界の日本語教育〈日本語教育事情報告編〉』6.
  3. Liddicoat, A. J. et al. (2003). Report on Intercultural Language Learning. Australian Government, Department of Education, Science and Training.

第11回~

「個人研究発表」

関連論文

  • 川上郁雄(1994).オーストラリアの中等教育における教材開発の課題『平成6年度日本語教育学会秋季大会予稿集』.
  • 岡戸浩子(1997).オーストリアのLOTE政策 ― 言語政策における異文化問題について『国際開発研究フォーラム』7.
  • 矢部まゆみ(2001).海外の初中等教育における日本語教育と〈文化リテラシー〉『21世紀の「日本事情」 ― 日本語教育から文化リテラシーへ』3.
  • 川上郁雄(2001).新しい文化をつくる言語教育『国際文化フォーラム通信』52.
  • 川上郁雄(2002).オーストラリアにおける「中国系移民」の新しい動き ― 1980年代から1990年代を中心に 吉原和男・鈴木正崇(編)『拡大する中国世界と文化創造』弘文堂.
  • 川上郁雄(2002).ベトナム系住民 ― 日豪の若者意識の比較を通じて考える『アジア遊学(勉誠出版)』39.