40期生(2020年度9月入学)

張 櫻(ちょう さくら)

研究・関心

「移動する子ども」がどのように自分の複言語・複文化能力を認識し,その言語資源をどのように未来へ繋いでいくのかについて関心を抱いています。

私自身も日中間を行き来しながら「移動する子ども」として成長してきたため,これまで中国語も日本語も母語話者レベルのようにできなければいけないという,周りから,乃至自分からのプレッシャーから,孤独,葛藤,不安と共に成長してきました。しかし,「移動する子ども」にとって,言語は動態的で,非均質的で,相互作用的なものという点を,複言語・複文化環境で育つ子どもが自己認識して,ポジティブに捉えることで,不安や孤独が少しでも軽減されるのではないかと思います。「移動する子ども」たちが自分の複言語性を認識し,言語資源として肯定的に捉えるためにはどのような実践が必要なのかについて模索していきたいと考えています。

自己紹介

上海財経大学外国語学部・日本語学科(経済貿易コース)卒業。

私は中国人の両親のもと,日本で生まれ,小学3年の時に中国へ帰国しました。中国では現地校に通い,中国語学習のため,日本語使用を「封鎖」されていた時期もあり,日本語を使う機会がほとんどありませんでした。その後,大学の専攻を決める時に,自分の中で中途半端な存在であった日本語を本格的に学習しようと思い,日本語学科に進学。

大学3年の時に川上先生の『私も「移動する子ども」だったー異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』と出会い,「移動する子ども」という存在を知ると同時に,自分の複言語性について深く考えるようになり,これまでもやもやとしていた自分,言語,文化に関する想いが解放されたように感じました。

そして,現在不安や葛藤に直面している子どもたちにより寄り添える存在になりたいと思い,日研に進学しました。

林 芷伊(りん しい)

研究・関心

多様な言語背景を持つ子どもの複言語能力と「まなざし」の関係について関心を持っています。「移動する子ども」は複数言語環境で育ち,多様な言語背景に存在する「まなざし」や周りの人々の「まなざし」によって,自分の「まなざし」と複言語能力も動態的に変容してきました。その「まなざし」と複言語能力の形成を丁寧に観ていくことの大切さを痛感し,オンラインによる海外と日本の「移動する子ども」を結びつける交流の場を作り,彼らの「まなざし」の形成過程を観察し,言語軸から「まなざし」と複言語能力の関係を検討していきたいと考えます。

自己紹介

延辺大学・外国語学部日本語学科卒業。

中国の吉林省出身です。

私は中国人でありながら,朝鮮語を話す朝鮮族として幼少期を過ごし,小学校の時に,朝鮮語環境の延吉から中国語環境の上海に移住しました。当時通っていたインターナショナルスクールで日本人の友達ができ,日本語に興味を持つようになりました。それがきっかけで,大学に入り,日本語を専攻として選びました。三年生の時に,明治大学に交換留学をし,そこで,中国や韓国で幼少期を過ごし,日本で育った人たちと出会い,私の体験と重なる部分があることに気付き,興味を持ちました。また,外国人児童生徒の教育問題などについて学び,川上郁雄先生の著書を読みながら感銘を受けました。「移動する子ども」の教育支援を研究したいと考え,2020年9月に早稲田大学大学院日本語教育研究科に進学しました。