13期生(2007年度4月入学)

別府さやか(べっぷ さやか)

自己紹介

学習院大学文学部日本語日本文学科卒業。大学では日本語教育を専攻し,学習院大学と豊島区共催の日本語教室ボランティアなどに参加しました。JSL生徒の日本語家庭教師を始めたことにより,年少者日本語教育に興味を強く抱き,大学院で年少者日本語教育を専攻するに至りました。

研究・関心

大学院在学時に,JSL生徒2名に対する実践を行う中で,ことばの学びと「メディア」の統合について興味を抱きました。そこで,言語教育と,昨今盛んになってきている「メディア・リテラシー教育」を関連付け,年少者日本語教育へどのような示唆を与えるのか,まだ,実践においてどのようなことばの学びが育まれるのかを,論証・考察し,修士論文としてまとめました。

現在は,母語話者の子どもたちも含めた協働の学びの場において,ことばの学びと「メディア」の統合の可能性について関心を抱いています。

修了後の進路

大学院修了後は,中国・大連の日本語学校で専任講師として1年間,早稲田大学日本語教育センターで非常勤インストラクターとして半年間勤務しました。

2011年4月より東京都の公立中学校の国語科教諭として新たなスタートを切りました。今までの国内外での経験を礎とし,今後も多様化する社会の中で,子どもたちにとって必要な「ことばの力」「生きる力」とは何か,ということについて自分なりに考え続け,実践を深めていきたいです。

論文

  • 別府さやか(2009).『JSL生徒に対する「ことばの学び」と「メディア」を統合した日本語支援――写真を用いた二つの実践から』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要
  • 別府さやか(2009).年少者日本語教育における「ことばの学び」と「メディア」を統合した実践研究『早稲田日本語教育学』5,15-27.

郭凡嘉(かく はんか)

自己紹介

国立台湾大学文学部卒業後,約二年間台北の日本語学校で日本語教育に携わってきました。それを機に,子どもの日本語教育に深い関心を持ち,大学院で年少者日本語教育を専攻するに至りました。

研究・関心

大学院在学時に,一時的ダブルリミテッドのJSLの子どもと出会い,このような子どもはどのような日本語教育が必要なのかを悩みながら実践してきました。そこで,一時的ダブルリミテッドの子どもに対し,生活体験を提供し,適切な文脈の中で,子どもがことばに必要な状況を意識し,意味のある文脈のなかでことばの学びに取り組めるような支援をデザインしました。子どもの「思考を支えることば」の育成を目指した支援を二年にわたり行い,修士論文としてまとめました。

現在は,一時的ダブルリミテッドの母語・日本語双方の獲得と喪失の原因およびプロセスについて関心を抱いています。

修了後

修士課程を修了し,2009年4月より東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士後期課程に進学します。修士論文の内容とつながり,一時的ダブルリミテッドの子どもの母語,日本語双方の獲得と喪失の原因およびプロセスをバイリンガルの観点から考察し,解明することを目的とし,一時的ダブルリミテッドの子どものことばの教育実践につながることを目指しています。

今後も修士課程で学んだ年少者日本語教育の知識と経験を生かし,日々努力していきたいと思います。

論文

  • 郭凡嘉(2009).『一時的ダブルリミテッドの子どもの日本語教育を考える――「思考を支えることばの力」の育成を目指して』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要

松尾淳子(まつお じゅんこ)

自己紹介

東洋大学文学部教育学科卒業。大学1年の頃,川崎市内の小学校ボランティアを行った際,多くの外国人児童と触れ合ったことをきっかけに年少者日本語教育に関心を持ちました。その後,学部時代にタイの特別支援学校で教育サポーター,オーストラリアの小学校で日本語教師アシスタントなどを行い,大学院進学に至りました。

研究・関心

JSLの子どもたちが自律的にことばを学ぶための,支援デザインについて関心があります。大学院在学中,JSLの子どもたちが「日本語」で自己表現を行う機会が限られている場面を多く見てきました。子どもたちが「ことばの学び」に向かって自ら歩みより,「自分自身」と「学び」とを結びつける力を起こしていくための支援のあり方について,大学院修了後も続けて研究していく予定です。

修了後

大学院修了後,2009年から,タイ・バンコクのインターナショナルスクールで帰国生(中高生)を対象とした日本語母語クラスを担当しています。

また,バンコクの継承語教室にて,親御さんと共に高学年部のクラス作りを行っています。

論文

  • 松尾淳子(2009).『JSL児童のことばの学びにのせた「自ら学ぶ力」の育成――非定住型JSL児童への日本語支援からの考察』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要

深澤伸子(ふかざわ しんこ)

自己紹介

日本の小学校勤務の後,1982年にタイへ。タイでは1984年からタマサート大学日本語学科勤務,1994年から2002年まで国際交流基金バンコック文化センターで中等過程の日本語教師養成プロジェクトを担当。2002年から親が運営する「バイリンガルの子供のための日本語教室」に関わったことから子どものことばの問題に関心をもち,2007年に早稲田大学大学院日本語教育研究科に入学,2010年に修士課程修了。現在は「バイリンガルの子どものための日本語教室」アドバイザー,タマサート大学修士課程講師。

他に,タイの地方で日本語を学ぶ学習者をタイ在住日本人と繋げる,タイ国内ホームスティ活動「ルアムチャイ」,「タイにおける母語・継承後としての日本語教育研究会」を主宰しています。

2006年12月に継承日本語教育に関わる者で「タイにおける母語・継承後としての日本語教育研究会」も立ち上げました。関心のある方はhttp://d.hatena.ne.jp/jmherat/をご参照ください。

論文

  • 深澤伸子(2013).複言語・複文化の子どもの成長を支える教育実践――親が創るタイの活動事例から.川上郁雄(編)『「移動する子ども」という記憶と力――ことばとアイデンティティ』(pp. 347-372)くろしお出版.
  • 尾関史,深澤伸子,牛窪隆太(2011).日本国外で成長する子どもたちにとっての日本語使用経験の意味―子どもたちはどのように日本語と向き合ってきたのか『リテラシーズ』9,11-20.http://literacies.9640.jp/vol09.html
  • 深澤伸子(2010).『親とボランティアが創る継承日本語教室の「意義」と「可能性」――タイの教室に参加してきた経験から』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要書
  • 深澤伸子,大谷世津子,高橋宏典,中井雅也(2006).タイ国日本語教育研究会18年の変遷と現在の活動報告『国際交流基金バンコク日本文化センター紀要』3,191-200.
  • 深澤伸子(2005).タイ国内ホームスティプログラムは関わった人達にどんな意義があったか――学習者・教師・日本人協力者3者の調査報告『国際交流基金バンコク日本文化センター紀要』2,201-206.

おもな発表

  • 深澤伸子(2013年3月4日).「複言語・複文化の子どもの成長を支える教育実践――親が創るタイの活動事例から」「移動する子どもたち」のことばとアイデンティティ国際研究集会(早稲田大学).
  • 深澤伸子(2011年3月19日).「誰のためのカリキュラムなのか――日本語教育におけるその意味と形」タイ国日本語教育研究会第23回年次セミナー(国際交流基金バンコク文化センター).
  • 尾関史,深澤伸子,牛窪隆太(2010年3月23日).「もう一つの『日本語教育』――日本国外で成長する子どもたちにとっての日本語学習の意味」タイ国日本語教育研究会第22回年次セミナー(泰日経済技術振興協会日本語学校).
  • 深澤伸子(2008年8月21日).「海外における移動する子どもたちと継承日本語教育――タイの現状とバンコクの継承日本語教室の試み」アジア太平洋州補習校ネットワーク会議(シンガポール日本人会会館).
  • 深澤伸子(2007年8月5日).「タイの継承日本語教育」母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究会2007年度大会(桜美林大学).
  • 深澤伸子(2006年8月).「タイにおける継承語教育としての日本語教育を考える――バイリンガルのこどものための日本語教室の実践から」タイ国日本語教育研究会157回月例会(国際交流基金バンコク文化センター).

その他

  • 2004年9月,スウェーデン国立ルンド大学東洋言語学部招聘により日本語教授法ワークショップ開催
  • 2003年8月,スウェーデン国立ルンド大学東洋言語学部,スウェーデン国立ヨーテボリ大学東洋言語学部日本語学科の招聘により日本語教授法ワークショップ開催

浅井涼子(あさい りょうこ)

修了にあたって

修士課程では,JSLの子どもたちはもちろん,私自身,そして学校が相互作用し,「ともに学び成長する」ことを目指して試行錯誤しながら実践を行い,その過程を修士論文にまとめました。

2010年3月修了後は,東京都の教員として採用され,2010年4月,都内の公立中学校教員として第一歩を踏み出しました。大学院時代に得た多くの学び,経験,人とのつながりを大切にし,JSLの子どもたちに限らず,様々な背景をもつ全ての子どもたちとともに学び成長していきたいと思っています。

研究・関心

JSLの子ども一人ひとりの実態の把握とそれに応じた教育支援,そのための学校と地域の連携・協働について関心があります。また,JSLの子ども自身と支援者がともに学び成長し合う関係づくり,学習環境づくりを目指し,ポートフォリオに注目しています。

自己紹介

愛知県出身,琉球大学教育学部生涯教育課程日本語教育コース卒業。

日本語教師に憧れて学部に入学しました。入学当時は“日本語教育=学習者は成人”と考えていた私が「年少者日本語教育」に出会ったのは,学部3年の時でした。年少者日本語教育の現状を知って大きな衝撃を受け,また同時に言語教育の奥深さと難しさを改めて知りました。以後,JSL生徒への支援活動を行う中で関心を深め,大学院進学に至りました。

修士課程在籍中には,ブリティッシュカウンシル主催の「日本語指導助手派遣プログラム」に参加したり,日本国内の公立学校で学ぶJSLの子どもたちの日本語支援を行ったりする機会を得ました。

論文

  • 浅井涼子(2010).『子どもと支援者が「ともに学び成長する」年少者日本語教育――「ポートフォリオ」を活用した日本語教育実践をもとに』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).[概要
  • 尾関史,浅井涼子,井口翔子(2010).「日本語教育におけるポートフォリオ評価の可能性」『日本語センター及び日研におけるポートフォリオ実践のための理論と実践』早稲田大学日本語教育研究センター(2009年度重点研究).
  • 浅井涼子(2009).JSL生徒・学校教員・日本語教員をつなぐポートフォリオ実践――「個人の成長」から「実践協働体の発展」へ『年少者日本語教育実践研究』13,1-14.
  • 浅井涼子,井口翔子,野口ひとみ,宮川愛梨(2009).多様な他者との出会いから子どもを取り巻く環境を捉え直す――第12回「わにっ子ワンデイキャンプ」から見えたこと『年少者日本語教育実践研究』12,1-11.

発表

  • 浅井涼子(2010年3月20日).「年少者日本語教育実践における『ポートフォリオ』の可能性――主体的かつ協働的な日本語学習・日本語支援を目指して」早稲田大学日本語教育学会2010年春季大会ポスター発表(早稲田大学).
  • 武一美,古屋憲章,坂田麗子,市嶋典子,尾関史,田中里奈,浅井涼子,井口翔子(2010年3月20日).「自律的日本語学習の実現に向けて――学びをつなぐポートフォリオとは何か」早稲田大学日本語教育学会2010年春季大会企画発表(早稲田大学).
  • 浅井涼子(2010年2月15日).「実践のプロセスを子ども・学校と共有する――『ポートフォリオ』を活用した実践を通した実践者の気づきから」第1回関東:年少者日本語教育研究フォーラム口頭発表(早稲田大学).
  • 浅井涼子,井口翔子,野口ひとみ,宮川愛梨(2009年3月28日).「子どもたちの「出会い」とことばの学び――『わにっ子ワンデイキャンプ』が目指すもの」早稲田大学日本語教育学会2009年春季大会ポスター発表(早稲田大学).

報告