9期生(2005年度4月入学)

青木優子(あおき ゆうこ)

2006年1月末より,オーストラリアのメルボルン・グラマー・スクールのアシスタント教師に(連載報告「南十字星の下で――優子のメルボルン便り」)。卒業後,2008年度は早稲田大学日本語教育研究センターにおいて契約講師をしながら,日本語学校でも留学生の日本語教育に携わりました。2009年度は韓国の市立仁川専門大学人文社会学部日本語科専任講師を務め,2010年3月からは韓国外国語大学通翻訳学部日本語科の専任講師として勤務しています。

研究・関心

学習者同士の学び合いの場をどのように創るか,そこで,学習者がどのように「自分のことば」を確立させることができるか,そのために教師ができることは何か,日々考えております。

自己紹介

早稲田大学法学部卒業後,約2年間,空港で貨物の通関業務に携わっておりました。地域の日本語教室で,小・中学生の学習支援ボランティアを行ったことから,年少者日本語教育に興味を持ち,また,その抱える多様な問題・奥の深さを実感しました。現在は年少者教育からは離れておりますが,日本語を使って,学習者がどのように自己表現する力を獲得することができるかという点は,年少者教育にも成人の教育にも通じるものがあると感じております。

業績

論文
  • 古賀万紀子,青木優子(2012).論理的表現力育成のためのスピーチ指導――韓国人中級日本語学習者を対象に『早稲田日本語教育学』11,135-153.http://hdl.handle.net/2065/34143
  • 青木優子,山内薫(2011).別科日本語専修課程の留学生に対する協働的ディスカッション活動の試み『アカデミック・ジャパニーズ・ジャーナル』3,47-56.
  • 古賀万紀子,青木優子(2011).大学の日本語会話授業における「論理的表現力」の育成――グループディスカッション・ディベート・プレゼンテーションを中心とした教科書の開発『日本語学研究(韓国日本語学会)』30,1-20.
  • 青木優子(2010).自己モニター力の育成を目指した会話授業とインタビュー活動『東アジア日本語教育・日本文化究』13,381-389.
  • 青木優子(2009).「多文化社会で生きる力」の獲得を目指す日本語教育――オーストラリア・ヴィクトリア州のJFL高校生を対象に.川上郁雄(編)『海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育――動態性の年少者日本語教育学』(pp.139-155)明石書店.
  • 青木優子(2008).『「多文化社会で生きる力」の獲得を目指す日本語教育――オーストラリア・ヴィクトリア州のJFL高校生を対象に』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
  • 青木優子(2006).「多文化社会で生きる力」を獲得させる日本語教育を目指して――オーストラリア・ヴィクトリア州の現状と課題『M1論文』早稲田大学大学院日本語教育研究科年少者日本語教育研究室.
  • 青木優子(2006).2005年度秋学期「日本語教育実践研究(6)」を受講して――中上級レベルの「日本語機能文型」の実習授業の報告『早稲田大学日本語教育実践研究』4,83-92.http://hdl.handle.net/2065/5781
教材
  • 表紙古賀万紀子,青木優子(2012).『다락원일본어독해 중급』(訳:タラグォン日本語読解 中級)다락원
  • 古賀万紀子,青木優子(2012).『다락원일본어독해 초급』(訳:タラグォン日本語読解 初級)다락원
  • 古賀万紀子,青木優子(2011).『다락원일본어독해 초급에서 중급으로』(訳:タラグォン日本語読解 初級から中級へ)다락원
다락원일본어독해(タラグォン日本語読解)』シリーズ内容紹介

初級・初中級・中級段階の学習者を対象とした総合型読解教科書です。本教科書では,読むことに加え,本文の中で新しい文型や語彙を学び,書く練習や聞く練習を通してそれを身につけることを目指しています。

各課のトピックは,身近なものから社会問題まで,学習者の関心を引く幅広いテーマを取り入れました。授業の目的やカリキュラムに合わせて,どの課からでも始められます。

課の構成は,導入部・本文・読解問題・本文中の単語や表現の一覧・文型練習・文法練習問題・聴解問題となっています。文型説明や単語説明には韓国語での説明や対訳が付いていますから,それを参考にしながら問題に取り組むことができます。また,難しい漢字には読み仮名が付いていますが,文字の下にルビを振っているので,それを隠しながら読むことで,漢字の練習もできます。

楽しみながら学習することができるよう,さまざまな工夫が詰まった教科書です。

発表
  • 青木優子(2012年).「韓国人大学生を対象とした分かりやすい作文を書くための授業実践(2)――言語表現を中心に」韓国日本語学会第26回国際学術発表会(ハンバット大学校).
  • 尾関史,青木優子(2012年).「国際結婚家庭における親の言語教育意識と子どもの日本語習得――韓国在住の日韓国際結婚家庭へのインタビューから」2012世界日本語教育研究大会(名古屋大学).
  • 古賀万紀子,青木優子(2011年).「韓国人上級日本語学習者の発話構造分析――分かりやすく話すための指導に向けて」2011世界日本語教育研究大会(天津外国語大学).
  • 古賀万紀子,青木優子(2011年).「韓国人日本語学習者の発話における誤用・構造分析――論理的に話すための指導にむけて」韓国日本語学会第23回国際学術発表会(建国大学校).
  • 古賀万紀子,青木優子(2010年).「『論理的表現力』育成のための日本語会話教科書の開発」韓国日本語学会第22回国際学術発表会(韓国外国語大学校).
  • 青木優子(2009年).「自己モニター力の育成を目指した会話授業とインタビュー活動」東アジア日本語教育・日本文化研究学会(韓国全南大学校).
  • 青木優子(2009年).「自己モニター力の向上を目指したディスカッション授業――学習者の主体的な関わり合いと学びの創造」東アジア日本学会2009年春季大会(韓国柳韓大学).
  • 青木優子,山内薫(2009年).「自己モニター力の向上を目指したディスカッション授業――『自分の日本語』を創るプロセスの分析,および協働的言語学習環境デザインから」早稲田大学日本語教育学会2009年春季大会ポスター発表(早稲田大学).
  • 山内薫,青木優子,小林美希(2007年).「自己モニター力の向上を目指した活動クラス『ディスかベーション』の試み」早稲田大学日本語教育学会2007年秋季大会ポスター発表(早稲田大学).
実践報告
  • 青木優子(2009).「無窮花を見上げて――優子の仁川便り」早稲田大学大学院日本語教育研究科年少者日本語教育研究室.https://gsjal.jp/kawakami/aoki04.html
  • 青木優子(2006).「南十字星の下で――優子のメルボルン便り(1-3)」早稲田大学大学院日本語教育研究科年少者日本語教育研究室.https://gsjal.jp/kawakami/aoki01.html

裔立苒(エイ リツゼン)

研究・関心

日本語を母語としていない年少者ためのバイリンガル教育来日間もない中国人の学生に対して,教科学習の支援のなかで,母語はどのような役割を果たすのかを明らかにするために,読解活動を取上げ,考察や実践に入りたいです。さらに,JSL年少者ための日本語・母語の2言語を維持・発達させる支援方法を考えていきたいと思っています。

自己紹介

上海大学の日本語学部卒業。言語の勉強と言語を教えるのが大好きで,日本語教育研究科に入学しました。もし,在学中また将来は外国語の不完全で,海外で生活や勉強に困難が感じる子供たちのために,何か手伝いことができれば,嬉しいと思います。前向きで真剣に皆様と一緒に頑張って生きたいと思います。

論文

  • 裔立苒(2007).『JSL生徒の「話す」力と「学習者主体」を育成する日本語学習支援ー協働的なインターアクティブな教室を目指す発話指導の実践をもとに』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文.

韓萬基(ハン マンキ)

研究・関心

  • 韓国の生徒のニーズや興味に合う教授法の研究
  • 韓国の日本語教科書の分析を通じて望ましい教材の開発
  • 日本語を母語としない年少者の第2外国語習得

自己紹介

韓国ソウル大学ドイツ語教育科,同大学院ドイツ語教育科卒業,スンシル大学大学院社会事業学科卒業,ドイツ語教師として勤務(1989-2001),ソウル大学付設日本語教師特別養成課程修了,日本語教師として勤める(2002-2004)。教師から学生への変身,学ぶ楽しさから実践へ。

論文・ほか

山﨑遼子(やまざき りょうこ)

修了後~現在

今はオレゴン州ポートランドに住んでいます。毎土曜日,現地の補習授業校で教えています。平日は翻訳の仕事と,現地校の代行教師(教科は日本語に限りません)をしています。

日本での教育経験

修士課程での実践と理論から得た子どもの見方・接し方を基盤にし,2008年から2012年まで墨田区のすみだ国際学習センターで日本語指導員・支援員をしていました。

アメリカでの教育経験

また,2006年から2007年にポートランド州立大学大学院にて教育学修士とオレゴン州の教員免許(日本語)を取得しました(連載報告:「前途遼遠@オレゴン――遼子のアメリカ大学院留学だより」)。2007年から2008年,オレゴンの高校と中学(Lakeridge Senior HS ・Waluga Junior HS)で日本語を教えました(連載報告:「前途遼遠 II」)。2013年,オレゴンの私立高校で代行日本語教師を勤めました。2013年4月から,ポートランド日本人学校(補習授業校)で教えています。

自己紹介

早稲田大学第一文学部総合人文学科卒。子どもの言語発達とその環境,教科学習を通した子どもの言葉の力育成に興味があります。

論文等

  • 山﨑遼子(2008).『在籍クラス教師のJSL児童生徒への教育「専門性」育成へ向けて――アメリカの教員養成・研修におけるアプローチから』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
  • 共同執筆(2007).『みんな地球っ子~話そう!遊ぼう!知り合おう!~』親子の日本語活動集(文化庁委嘱・地域日本語教育支援事業)
  • 山﨑遼子(2006).JSL生徒への高校入試作文支援において必要な視点――明日「一人」で書くためのスキャフォールディング『早稲田大学日本語教育実践研究』4,29-40.http://hdl.handle.net/2065/5788
  • 山﨑遼子(2006).「個人」と「興味」と「言葉」の関係性構築――実践14を通して『早稲田大学日本語教育実践研究』5,223.http://hdl.handle.net/2065/5746
  • 山﨑遼子(2006).2006年オーストラリア研修報告(州立バードンスクール・州立ブリスベン高校・州立CRAIGSLEA高校).https://gsjal.jp/kawakami/aussie06.html
  • 山﨑遼子(2006).教育で「総合」を行う意味を問う――わたしはどのような教室活動を目指すのか」『日本語教育実践研究』4,129-142.http://hdl.handle.net/2065/5773
  • 山﨑遼子(2005年7月21日).「子どもに日本語を教える」理論と実践『早稲田ウィークリー』.http://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2005a/069j.html