【東日本大地震特集: 被災地へ,そして,被災地から】
【更新情報】
お知らせ
【ボランティア募集:2月18日締切】せかい子ども音読大会2012
日本語を母語としない子どもたち,そして日本の子どもたちが集う「せかい子ども音読大会2012」のボランティアを募集します。世界の子どもたちに,ことばを使ったグループ活動を通し,仲間と協力して,日本語の本に触れる楽しさを経験して欲しいと考えています。あなたも,子どもたちの「ことばの学び」の瞬間に立ち会ってみませんか?[チラシをダウンロードする:PDF]
ボランティア活動の日時と場所
- 2012年3月10日(土)13:00~17:00:第1回研修
- 2012年3月17日(土)10:00~17:00:第2回研修・音読大会
- 17日は,お昼ごはんの休憩があります。
場所はいずれも早稲田大学早稲田キャンパス22号館[アクセス]です。
注意事項
研修には2回とも参加していただきますようお願い致します。
会場までの交通費,飲食代等は各自でご負担下さい。
ボランティア申し込み・問い合わせ
- 連絡先
- ondoku2012@yahoo.co.jp
- 応募方法
- 件名に「音読大会2012ボランティア申し込み」,本文に ①お名前 ②ご住所 ③電話番号 ④ご所属 ⑤応募の理由や教育経験等(②③はボランティア保険申し込みのため要記入)を書いて,お送り下さい。
- 締め切り
- 2012年2月18日(土)
- 募集人数
- 30名(決定者には,後日メールにてご連絡さしあげます。)
せかい子ども音読大会2012について
「せかい子ども音読大会2012」は,「せかい子ども音読大会2011」(主催:日本国際児童図書評議会(JBBY),早稲田大学大学院日本語教育研究科,早稲田大学日本語教育研究センター)が,地震のため開催延期となったため,2012年3月17日(日)に早稲田に会場を移して行うものです。なお,ゲストスピーカーは変更となります。詳細は近日掲載。
【発表者募集:2月10日締切】
国際研究集会『「移動する子どもたち」のことばとアイデンティティ』
近年,幼少期より複数言語環境で成長する子どもたちが世界的に増加しています。そのような子どもたちが成長過程で複数言語に触れ,使用するという経験と複数言語能力についての意識は,子どもの成長や自己形成にどのような影響を与えているのでしょうか。また,それらの子どもたちへ言語教育の実践やあり方をどのように考えたらよいのでしょうか。
本研究集会では,多様な言語環境で学ぶ子どもたち,たとえば日本国内のJSL児童生徒やインターナショナル・スクール等で学ぶ子どもたち,日本国外の日本人補習校や日本語学校で学ぶ子どもたち,日本国内外の国際結婚家庭の子どもたちなど,複数言語環境で成長する子どもたちのことばとアイデンティティについて考えたいと思います。同時に,これらの子どもたちに関するテーマは幼少期から青年期に限定されるものではなく,大学生,成人そして老齢期に及ぶ,長期の人生に関わるテーマであると考えます。その意味で,ライフコースを視野に入れた,複数言語環境で成長した経験を持つ大人を対象にした研究も期待されます。これらのテーマは,日本語教育に限らない,グローバルな課題です。日本語教育以外の言語教育のフィールドの研究も歓迎します。
研究論文発表・ポスターセッション発表を募集しています
希望者は,大会ホームページ(くろしお出版)に記載の応募要領をもとにメールでご応募ください(締め切り:2月10日(金)23:59まで必着)。
なお,本研究集会で発表される研究論文で優れた研究論文は,リテラシーズ叢書(※)の1冊に収録され,2012年度中にくろしお出版から刊行される予定です。編集責任は,川上郁雄が担当します。
リテラシーズ叢書の刊行について
応募された研究論文から,「刊行編集委員会」で優れた研究と認められた論文は,以下の書籍に収録し,くろしお出版より2012年度中に刊行します。
- 書籍タイトル: 『「移動する子どもたち」のことばのアイデンティティ ― 子どもから大人まで』(仮題)
なお,国際研究集会で口頭発表された研究論文は,「刊行編集委員会」の助言,コメント等を踏まえ,加筆修正することができます。そのうえで,2012年8月末までに完成原稿を提出していただき,その後,出版社との間で編集作業を進めます。
- 参考:リテラシーズ叢書既刊『複言語・複文化主義とは何か ― ヨーロッパの理念・状況から日本における受容・文脈化へ』
関連サイト
【参加者募集:2月18日】川上郁雄の講演
「移動する子どもたち」のことばの教育を考える―「本」の世界を,震災を経験した子どもたちへ届ける試み
津田塾大学千駄ヶ谷教育研究機構プロジェクト「多文化社会における言語教育を考える ― 多言語環境の子どもと教育」
- 日時: 2012年2月18日(土)1時~2時半
- 場所: 津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパス 津田ホール会議室[アクセス]
- 参加費: 無料
- 申込み: 所属とお名前を下記までメールでお知らせください。(定員30名)
- E-mail: mseki@tsuda.ac.jp
第42回日本語弁論大会全豪大会・バックグランドスピーカー部門優勝原稿 - トムソン華さん
2011年10月15日,国際交流基金シドニーにて開催された『第42回日本語弁論大会全豪大会』で,トムソン華さん(シドニー,ニューサウスウェールズ大学・2年生)が優勝されました(バックグランドスピーカー部門)。その原稿を,華さんの了解を得て,公開します。
「移動する子ども」(Children Crossing Borders)学を考える私たちにとっても,とても示唆に富む内容です。ぜひ,ご覧ください。
私はハナ人
トムソン華(Hana Thomson)
「あのう,ハナさんは何人ですか?」
そう聞かれてもちょっと困ります。
「え〜と,私は二歳の時からオーストラリアに住んでいますけど,もともと,シンガポールで生まれて,父はアメリカ人で,母は日本人で,祖父はスコットランド人で,…」
答えが長くなってしまいます。
そして,思います。 私は何人なのでしょうか? 私のアイデンティティは何なのでしょうか?
自分のアイデンティティのことを考え始めるようになったのは去年のことです。考え始めてまず思ったのは,自分がとても運のいい人間だということです。私はオーストラリア生まれではありませんし,顔を見ても一般的に言う「オーストラリア人」には見えません。でも,学校や大学では一度も人種差別(じんしゅさべつ)を経験したことはありません。オーストラリア人ではないからということで友達ができなかったこともありません。それに,「ハーフ」だということは悪いことではなく逆にプラスの特徴(とくちょう)だと思われることが多いです。それは,私が運よくシドニーのような多文化の都市に育ち,運よく人種差別のない学校や大学にかようことになったからだと思います。ありがたいです。ですが, 皆そんなに運がいいわけではありません。
私は去年,早稲田大学で「移動する子供たち」と言うパネルディスカッションに参加しました。そこには両親が韓国人なのに日本で育った人,日本人なのにアメリカに住んでいた人,私のような「ダブル」の人もいました。そこでは「ハーフ」と言う言葉がマイナスの意味をもっていると思われていたので,代わりに「ダブル」という言葉を使っていました。みんな,国の間,言語の間,そして学校の間を移動する子ども達として育った人たちでした。そこで気付いたのは,この人達は「移動する子ども達」というより「移動をさせられた子ども達」なのではないかということでした。
その中の一人,両親が日本人でアメリカに住んでいた女性は自分のつらい思い出を話してくれました。日本人を見たことがない同級生にいじめられたり,アメリカに住んでいるのに英語が上手じゃなかったことや,日本に行っても日本語も上手に話せなかったことが特につらかったそうです。両方の言語がきちんと話せなかったので,この女性は自分はアメリカ人でも日本人でもないような感じがしたそうです。この話を聞いて自分の運のよさに気づきました。確かに私は日本語で自分の言いたい事がじゅうぶんに伝えられない時はとてもイライラします。ですが,日本語が話せなくてもまだ英語には自信を持っています。ですから,この女性に比べたら,そんなにつらい思いはしてきていません。
それに,この女性の言ったもう一つのことが気になりました。それは,「その国の言語が話せないから自分はその国の人ではない」という考え方です。私は日本語は100パーセントは話せません…ということは日本人ではないのでしょうか?そうは思いたくありません。私の母は日本人です。私は頑張って日本語を勉強しています。日本に行くと,おばあちゃんとおじちゃんが待っていてくれます。日本人の友達と話すときはいつも日本語で話しますし,「マジで~」や「ヤバイよ~」とか言います。それに,私は日本が大好きです。日本に行くとオーストラリアに帰るときと同じように自分の国に帰ってきたような感じがします。やっぱり,私は日本人です。同じように,アメリカ人ですし,オーストラリア人でもあります。
では結局私は何人なのでしょうか?「ハーフ」なのでしょうか,「ダブル」なのでしょうか?もしかして,「トリプル」かもしれません。アイデンティティは何なのでしょうか?私は,国籍(こくせき)も言葉も自分の心が感じることも自分のアイデンティティーだと思います。周りの人が何と言っても,私,トムソン木下華は自分がオーストラリア人でアメリカ人で日本人だとわかっているので,それはそれでいいのだと思います。私は移動する子ども達が皆このように自分らしく生きていけるといいと思います。そして,「ハナさんは何人ですか」と聞かれたら,新しい言葉を作っちゃったらどうでしょうか。「私はハナ人です!」
(※この模様は,国際交流基金シドニーのサイトで公開されています。)
【スライド公開】「『移動する子どもたち』のことばの教育学 ― 幼少期より複数言語環境で成長する子どもから大人まで」
継承語研究会 第11回年次大会(2011年8月29日)
川上は,2011年8月29日に,米国ニューヨークで開催された「NECTJ継承語研究会 第11回年次大会」で講演をしました。講演タイトルは,「『移動する子どもたち』のことばの教育学 ― 幼少期より複数言語環境で成長する子どもから大人まで」。
【新刊】『日本語教師の「意味世界」― オーストラリアの子どもに教える教師たちのライフストーリー』
著: 太田裕子(研究紹介)
- 2010年9月,ココ出版より刊[紹介ページ]
- 定価4,000円+税
子どもに日本語を教えることについて,日本語教師はどのような「意味世界」を持っているのでしょうか。その「意味世界」はどのように形成され,変容してきたのでしょうか。本書は,オーストラリアの教師が語るライフストーリーをもとに,社会的,歴史的文脈に根ざした教師の「意味世界」と実践の関係を考察した著者の博士論文の刊行です。
なお,本書は川上研究室から出た博士論文として,初めて刊行された研究書です。

『「移動する子どもたち」のことばの教育学』(川上郁雄・著,2011年,くろしお出版)
投稿募集中:2012年3月20日締切
川上郁雄(編)「移動する子ども」シリーズ(1)明石書店,2006年刊。定価:3,300円+税
川上郁雄(編著)「移動する子ども」シリーズ(3),明石書店,2009年刊。定価:3,465円(税込)
JSLバンドスケールは,「日本語を第一言語としない子どもたち」(JSL児童生徒)の日本語能力を把握するために,当研究室で開発された「測定基準(ものさし:scales)」で,その「ものさし」は,「小学校編」・「中学・高校編」それぞれ冊子にまとめられています。[