中野千野(なかの ちの)
2016年9月博士号取得
研究業績
著書
- 中野千野(2020).『複数言語環境で生きる子どものことば育て――「まなざし」に注目した実践』早稲田大学出版部.
- 中野千野(2015).複数言語環境で成長する子どものことばの学びとは何か――ライフストーリーに立ち現れた「まなざし」に注目して.三代純平(編)『日本語教育学としてのライフストーリー――語りを聞き、書くということ』(pp. 190-219)くろしお出版.
受賞
研究プロジェクト
論文
- 中野千野(2015).日本語教育において「まなざし」を語る意義とは何か『早稲田日本語教育学』19,41-60. http://hdl.handle.net/2065/46753
- 中野千野(2014).言語教育におけるライフストーリー研究の意義とは何か――複数言語環境で成長する子どもを巡る「まなざし」に着目して『リテラシーズ』14,85-101.http://literacies.9640.jp/vol14.html#nakano
- 中野千野(2013).複数言語環境で成長する子どもの「複数言語性」を考える―ある海外定住児童への「まなざし」から『ジャーナル「移動する子どもたち」―ことばの教育を創発する』4,21-42.https://gsjal.jp/childforum/journal_04.html#art04-2
- 中野千野(2011).[書評]日本語教師の「意味世界」から見えてきた現実とは何か――日本語教師の「実践」はどのように「意味づけ」され行われているのか(太田裕子(2010).『日本語教師の「意味世界」――オーストラリアの子どもに教える教師たちのライフストーリー』ココ出版).https://gsjal.jp/kawakami/nakano01.html
- 中野千野(2009).「周辺化」された子ども達から見えてきた言語習得支援の課題――ある日系ブラジル人女性の「語り」を中心に『2008年名古屋研究大会 多言語社会研究会年報』5,93-115.
- 中野千野(2009).「多文化共生」を目指した特殊目的の日本語教育支援への提言――少年院関係者との協働プログラム構築過程の分析から『第3回博報「ことばと教育」研究助成研究成果論文集』(pp.95-97)博報児童教育振興会.
- 金ヒョンス,中野千野,奥村恵子(2007).上級文章表現授業における自律学習に向けた取り組み考察――TA参加の意義と気づきメモ導入の実践から『早稲田大学日本語教育実践研究』6,151-160.http://hdl.handle.net/2065/26577
- 中野千野(2007).海外の美容室に於ける接触場面分析についての一考察――言語役割調整の観点から『東アジア日本語教育・日本文化研究学会』10,91-112.
教材
- 中野千野(2009).ことばの力とソーシャルスキルを鍛える(1)――地域社会に参加しよう.伴紀子(監),宮崎里司(編)『タスクで伸ばす学習力――学習ストラテジーを活かした学びの設計』(pp. 62-63)凡人社.
- 中野千野(2009).ことばの力とソーシャルスキルを鍛える(2)――ねらった仕事を手に入れよう!.伴紀子(監),宮崎里司(編)『タスクで伸ばす学習力――学習ストラテジーを活かした学びの設計』(pp. 94-95)凡人社.
発表
- 中野千野(2016年9月18日).「わたしはどのように自身の日本語教育実践を振り返ったのか――子どもの日本語教育における『まなざし』論の展望と課題」早稲田大学日本語教育学会2016年秋季大会(早稲田大学).
- 中野千野(2016年1月29日).「『まなざし』の観点から問い直す子どもへの日本語教育実践――実践者の『まなざし』の形成過程から何が見えてきたのか」第1回「移動とことば」研究会(早稲田大学).
- 中野千野(2014年7月11日).「複数言語環境で成長する子どもの〈生〉とことばの学びを紡ぐ実践を考える」日本語教育国際研究大会2014(シドニー工科大学).
- 中野千野(2014年6月7日).「子どものことばの学びをめぐり交錯する『まなざし』と授業実践への模索――複数言語環境で成長する児童Hの事例をもとに」第35回異文化間教育学会(立命館女子大学).
- 中野千野(2014年3月2日).「日本語教育において,なぜ『まなざし』なのか」第4回年少者日本語教育研究フォーラム(早稲田大学).
- 中野千野(2013年9月14日).「言語教育におけるライフストーリー研究の意義への模索――『まなざし』の形成プロセスから」早稲田大学日本語教育学会2013年秋季大会(早稲田大学).
- Nakano, C. (2011). The study of Japanese language acquisition support for“Peripheral Children”from interview of juvenile hall workers. Japanese Studies Association of Australia 2011 Biennial Conference (Australia, VIC: The University of Melbourne).
- 中野千野(2011年3月18日).「海外に定住する子どもへの日本語支援――こころとことばを紡ぐ実践から――」早稲田大学日本語教育学会2011年春季大会(早稲田大学).
- 中野千野(2009年9月1日).「言語習得支援におけるSST応用の可能性――ある日系ブラジル人女性のライフストーリーから」2009年NECTJ第9回継承日本語研究大会(ジャパンソサエティー・ニューヨーク).
- 中野千野(2008年12月10日).「少年院における日本語教育から見えてきた課題――ある日系ブラジル人女性の語りを中心に」第5回多言語社会研究会名古屋研究大会(中京大学).
- 中野千野(2006年11月11日).「海外の美容室に於ける接触場面分析についての一考察――言語役割調整の観点から」2006年度東アジア日本語教育・日本文化研究学会国際学術大会(韓国済州大学).
自己紹介
早稲田大学第二文学部文学・言語系専修卒業。十年間の企業勤務の後,日本語教師に転職し,日本,マレーシア,オーストラリアで日本語教育に携わってきました。その後,都内の公立小学校で日本語教育に携わったことから,子どもたちの言語問題を考えるようになり,2006年に早稲田大学大学院日本語教育研究科に進学しました。
2008年に修士課程を修了後,渡米。米国では,国連国際学校のアフタースクールで日本語教育に携わっていました。その経験を踏まえ,さらに研究を進め,現場に還元させたいという思いから博士課程に進学(出産のために1年間休学,2012年4月より復学),2016年9月に博士号を取得しました。
2014年4月より2年間は,早稲田大学大学院日本語教育研究科にて助手として勤務しました。
研究・関心
日本や海外で「日本語」を学ぶ子どもたちの「ことばの教育」と「社会のあり方」について関心があります。その主なきっかけは,幼少期に来日し,自らも「非行」経験を持ったある女性との出会いがあります。その出会いから,修士論文では親の移動によって生じる諸言語問題を「少年院での日本語教育」という切り口から考察しました。
これまでは主に日本国内の子どもたちにかかわってきたのですが,ニューヨークで,諸外国へ移動しながら「日本語」を学ぶ子どもたちとの出会いから,その子どもたちの視点ということも考えていかなければならないことを痛感しました。その経験を踏まえ,「日本語」を学ぶ子どもたちに本当に必要な「ことばの力」とは何か,そしてそれを支えるには実践者はどのような観点を持ち,どのように実践展開していく必要があるのかということを常に社会的な文脈から考えていきたいと思っています。
学位論文
- 中野千野(2016).『「まなざし」の観点から再考する子どもへの日本語教育実践――実践者の「まなざし」の形成過程に着目して』早稲田大学大学院日本語教育研究科博士論文.
- 中野千野(2008).『少年院における日本語教育の在り方について考える――ある日系ブラジル人女性の語りから見えてきた課題』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).