博士後期課程(2010年度9月入学)
中野千野(なかの ちの)
研究・関心分野
日本や海外で「日本語」を学ぶ子どもたちの「ことばの教育」と「社会のあり方」について関心があります。その主なきっかけは,幼少期に来日し自らも「非行」経験を持ったある日系ブラジル人女性との出会いがあります。その出会いから,修士論文では親の移動によって生じる諸言語問題を「少年院での日本語教育」という切り口から考察しました。これまでは主に日本国内のJSLの子どもたちにかかわってきたのですが,ニューヨークで諸外国へ移動しながら「日本語」を学ぶ子どもたちとかかわる中で,その子どもたちの視点ということも考えていかなければならないことを痛感しています。そして日本国内外にかかわらず「日本語」を学ぶ子どもたちに本当に必要な「ことばの力」とは何なのか,そしてそれを支えるには実践者はどのような観点を持ち,どのように実践展開していく必要があるのかということを考えていきたいと思っています。
自己紹介
早稲田大学第二文学部文学・言語系専修卒業。十年間の企業勤務の後,日本語教師に転職し,日本,マレーシア,オーストラリアで日本語教育に携わってきました。その後,都内の公立小学校で日本語教育に携わったことから,子どもたちの言語問題を考えるようになり,2006年に早稲田大学大学院日本語教育研究科に進学しました。2008年に修士課程を修了後,渡米。米国では,今年(2011年)の2月まで国連国際学校のアフタースクールで日本語教育に携わっていました。その間にさらに研究を進め,現場に還元させたいという思いから〈海外受験〉し,2010年9月から博士課程に在籍しています。4月からは,都内の公立小学校で日本語指導員として勤務することになっています。
研究業績
修士論文
- 中野千野(2008).『少年院における日本語教育の在り方について考える ― ある日系ブラジル人女性の語りから見えてきた課題』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).
研究プロジェクト
論文
- 中野千野(2011).[書評]日本語教師の「意味世界」から見えてきた現実とは何か ― 日本語教師の「実践」はどのように「意味づけ」され行われているのか(太田裕子(2010)。『日本語教師の「意味世界」― オーストラリアの子どもに教える教師たちのライフストーリー』ココ出版).
- 中野千野(2009).「周辺化」された子ども達から見えてきた言語習得支援の課題 ― ある日系ブラジル人女性の「語り」を中心に『2008年名古屋研究大会 多言語社会研究会年報』5,93-115.
- 中野千野(2009).「多文化共生」を目指した特殊目的の日本語教育支援への提言 ― 少年院関係者との協働プログラム構築過程の分析から『第3回博報「ことばと教育」研究助成研究成果論文集』(pp.95-97)博報児童教育振興会.
- 金ヒョンス,中野千野,奥村恵子(2007).上級文章表現授業における自律学習に向けた取り組み考察 ― TA参加の意義と気づきメモ導入の実践から『早稲田大学日本語教育実践研究』6,151-160.http://hdl.handle.net/2065/26577
- 中野千野(2007).海外の美容室に於ける接触場面分析についての一考察 ― 言語役割調整の観点から『東アジア日本語教育・日本文化研究学会』10,91-112.
発表
- 中野千野(2011年3月18日).「海外に定住する子どもへの日本語支援 ― こころとことばを紡ぐ実践から ― 」早稲田大学日本語教育学会2011年春季大会(早稲田大学).
- 中野千野(2009年9月1日).「言語習得支援におけるSST応用の可能性 ― ある日系ブラジル人女性のライフストーリーから」2009年NECTJ第9回継承日本語研究大会(ジャパンソサエティー・ニューヨーク).
- 中野千野(2008年12月10日).「少年院における日本語教育から見えてきた課題 ― ある日系ブラジル人女性の語りを中心に」第5回多言語社会研究会名古屋研究大会(中京大学).
- 中野千野(2006年11月11日).「海外の美容室に於ける接触場面分析についての一考察 ― 言語役割調整の観点から」2006年度東アジア日本語教育・日本文化研究学会国際学術大会(韓国済州大学).
教材
- 中野千野(2009).ことばの力とソーシャルスキルを鍛える(1) ― 地域社会に参加しよう.伴紀子(監),宮崎里司(編)『タスクで伸ばす学習力 ― 学習ストラテジーを活かした学びの設計』(pp.62-63)凡人社.
- 中野千野(2009).ことばの力とソーシャルスキルを鍛える(2) ― ねらった仕事を手に入れよう!.伴紀子(監),宮崎里司(編)『タスクで伸ばす学習力 ― 学習ストラテジーを活かした学びの設計』(pp.94-95)凡人社.