太田(山田)裕子

自己紹介

早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。一般企業に数年勤務した後,2003年に早稲田大学大学院日本語教育研究科に入学,2006年に修士課程を修了。2006年4月に早稲田大学大学院日本語教育研究科博士課程に入学。2009年3月に博士号を取得しました。2006年4月より2009年3月までは早稲田大学国際教養学部助手,2009年4月より2011年3月までは早稲田大学留学センター助教,2011年4月から2014年3月までは早稲田大学オープン教育センター助教として,2014年4月からは早稲田大学グローバルエデュケーションセンター准教授として,大学における日本語アカデミック・ライティング教育に携わっています。

研究・関心分野

複数言語環境で育つ子どものことばの学びや意識,複数言語環境で子どもを育てる親の実践や意識,ことばを教える人(教師やチューター)の実践と意識の形成過程,言語教育政策と言語教育実践との関係などに関心があります。また,アカデミック・ライティング教育,ライティング指導者の実践と意識にも関心があります。

学位論文

  • 太田裕子(2009).『日本語教師の意味世界と実践の関係性に関する研究――オーストラリア初等中等教育機関の教師が語るライフストーリー分析をもとに』早稲田大学大学院日本語教育研究科博士論文.
  • 山田裕子(2006).『多文化社会における年少者日本語教育の意義と実際――クィーンズランド州をケーススタディに』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(未公刊).

研究業績

著書

大学生は、アカデミックな文章を書く事ができるようになることが求められている。かつては、多くの場合自分で学ぶしかなかった。しかし、現在、大学では、組織的にライティングを教える必要に迫られている。そのような状況の中、独立した機関でライティングを学ぶことの出来る機会を提供することが大学の課題になっている。この課題にいち早く取り組んできた日本におけるパイオニアである早稲田大学ライティング・センターでの取り組みの実践とその裏付けとなる理念を詳述。ピア・チュータリングを行うチューターが実際に困った実例やその解決方法の例を提示。さらに、チューターをどのように採用し、育てていくかといった情報も満載。


  • 太田裕子(2010).『日本語教師の「意味世界」――オーストラリアの子どもに教える教師たちのライフストーリー』ココ出版.

子どもに日本語を教えることについて,日本語教師はどのような「意味世界」を持っているのでしょうか。その「意味世界」はどのように形成され,変容してきたのでしょうか。本書は,オーストラリアの教師が語るライフストーリーをもとに,社会的,歴史的文脈に根ざした教師の「意味世界」と実践の関係を考察した著者の博士論文の刊行です。

受賞

論文

  • 佐渡島紗織,太田裕子(2013).文章チュータリングに携わる大学院生チューターの学びと成長――早稲田大学ライティング・センターでの事例『国語科教育』75,64-71.
  • 太田裕子,ドイル綾子,坂本麻裕子,佐渡島紗織(2013).ライティング・センターにおける新人チューターの課題――新人研修ワークシートの内容分析『アカデミック・ジャパニーズ・ジャーナル』5,1-10.
  • 太田裕子,佐渡島紗織(2013).自立した書き手を育成するライティング・センターのチューター研修とチューターの意識――早稲田大学における実践事例とPAC分析『Waseda Global Forum(早稲田大学国際教養学部紀要)』9,237-277.
  • 太田裕子(2013).幼少期より日本で成長した高校生が語る記憶,ことば,自分.川上郁雄(編)『「移動する子ども」という記憶と力――ことばとアイデンティティ』(pp. 168-193)くろしお出版.
  • 太田裕子(2012).「移動する子ども」は他者との関わりの中でことばとアイデンティティをどのように形成しているか――幼少期より日本で成長したある高校生の事例から『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』3,25-48.https://gsjal.jp/childforum/journal.html
  • 太田裕子,佐渡島紗織,冨永敦子,齋藤綾子(2012).大学初年次日本語アカデミック・ライティング授業における帰国生と留学生の文章力――初回課題と最終回課題の文章評価調査から『Waseda Global Forum(早稲田大学国際教養学部紀要)』8,337-375.
  • 太田裕子(2011).家族が語る「移動する子ども」のことばの発達過程――幼少期より日本で成長した生徒のライフストーリー『ジャーナル「移動する子どもたち」――ことばの教育を創発する』2,1-25.https://gsjal.jp/children/journal_02.html
  • 川上郁雄,尾関史,太田裕子(2011).「移動する子どもたち」は大学で日本語をどのように学んでいるのか――複数言語環境で成長した留学生・大学生の日本語ライフストーリーをもとに『早稲田教育評論』25(1),57-69.http://hdl.handle.net/2065/32619
  • 太田裕子(2009).日本語教師の学びを考える――オーストラリアの高校教師のライフストーリーから.川上郁雄(編)『海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育――動態性の年少者日本語教育学』(pp.198-220)明石書店.
  • 佐渡島紗織・志村美加・太田裕子(2009).日本語母語話者が日本語で英語文章を検討するセッションの有効性――書き手を育てるライティング・センターでの対話『Waseda Global Forum(早稲田大学国際教養学部紀要)』5,57-71.
  • 太田裕子(2007).多文化社会に生きる子どもへの『異文化間言語学習』の意味――オーストラリアにおける『内容』をめぐる議論から」『早稲田日本語教育学』1,81-93.
  • 太田裕子(2007).オーストラリアにおけるLOTE教育の方向性――『異文化間言語学習』が言語教育政策に取り入れられた意味『言語政策』3,19-38.
  • 太田裕子(2007).理論と実践における「異文化間言語学習」の問題――オーストラリアにおける年少者日本語教育の事例から リテラシーズ研究会(編)『リテラシーズ 3――ことば・文化・社会の日本語教育へ』(pp.65-78)くろしお出版.
  • 太田裕子(2006).第8章 JSL生徒の多様なリテラシーと日本語能力をどう捉えるか,川上郁雄(編)『「移動する子どもたち」と日本語教育――日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える』(pp.142-160)明石書店.
  • 太田裕子(2006).理論と実践における「異文化間言語学習」の問題――オーストラリアにおける年少者日本語教育の事例から『Web版リテラシーズ』3(1),32-40.
  • Yamada, Y. (2005). The gaps between the syllabus and the classrooms: Critical analysis of Queensland Japanese syllabus. In J. Yamanashi & I. Milojevic (Eds.), Researching identity, diversity and education: Surpassing the norm. Teneriffe: Post Pressed. pp. 157-167.
  • 山田裕子(2005).中学生への日本語支援――学習者のリテラシー実践と日本語を結ぶ活動『年少者日本語教育実践研究(早稲田大学大学院日本語教育研究科年少者日本語教育研究室)』5,36-45.
  • 山田裕子(2005).中学生への日本語支援――生徒のリテラシーと日本語を結ぶ活動『早稲田大学日本語教育実践研究(早稲田大学大学院日本語教育研究科)』3,43-51.
  • 山田裕子(2005).対話のための共通認識を構築するプロセス――私にとって総合活動型日本語教育とは何か『早稲田大学日本語教育実践研究(早稲田大学大学院日本語教育研究科)』3,171-180.
  • 山田裕子(2004).子どもの語りを引き出す実践の試行『年少者日本語教育実践研究(早稲田大学大学院日本語教育研究科)』2,99-124.

発表

  • 可児愛美,久本峻平,太田裕子(2014年3月8日).「チューター史作成を用いた振り返りの有効性」The Sixth Symposium on Writing Centers in Asia(桜美林大学).
  • 太田裕子(2013年4月20日).英語チューターはセッション中何に意識を向けているか――母語が異なる三名のPAC分析.The Fifth Symposium on Writing Centers in Asia(The National Graduate Institute for Policy Studies.https://sites.google.com/site/wcajapan/upcoming-events
  • 太田裕子,佐渡島紗織(2013年6月2日).ライティング・センターで文章作成支援を行うチューターの意識――ベテランと新人の比較.大学教育学会第35回大会(東北大学川内北キャンパス).
  • 太田裕子,塩田紗智子,Delegrego, N.(2011年11月27日).「日本におけるライティングセンターの運営と課題――早稲田大学ライティングセンターでの実践報告」第二言語ライティングセミナー(東京国際大学第1キャンパス).http://homepage2.nifty.com/barbra/SLW_seminar.html
  • 太田裕子,田邉裕理(2011年3月6日).「支援者が子どもに付与する『アイデンティティ』と日本語教育実践の関係――ある中学生に対する支援者4名の実践報告メールから」国際研究集会「言語教育とアイデンティティ形成――ことばの学びの連携と再編」(早稲田大学).
  • 川上郁雄,尾関史,太田裕子(2010年8月1日).「複数言語環境で成長した留学生・大学生はどのように日本語を学習しているのか――「移動する子ども」の視点から大学生の日本語教育を問い直す」2010世界日本語教育大会(台湾・国立政治大学).
  • 太田裕子(2010年3月7日).「日本語教師の意味世界とその形成過程――ある教師のライフストーリーにみるオーストラリアの社会的政治的文脈」オーストラリア学会関東例会(慶應義塾大学).
  • 佐渡島紗織・志村美加・太田裕子(2009年2月17日).「Waseda University Writing Center」Writing Centers in Japan 2009: A Colloquium(東京大学)
  • 太田裕子(2009年2月6日).「他者のライフストーリーを書くとはどういうことか――語り手の物語と研究者の物語の関係性」質的調査法研究会(早稲田大学)
  • 太田裕子(2008年5月25日).「オーストラリアにおける年少者日本語教育の理想・現実・戦略――初等中等教育機関の日本語教師の語りから」2008年度日本語教育学会春季大会(首都大学東京)
  • 太田裕子(2007年10月13日).「オーストラリア日本語教師の言語教育観の形成と変容」早稲田日本語教育学会2007年秋季大会125周年記念大会(早稲田大学)
  • 太田裕子(2006年10月8日).「年少者日本語教育のシラバスとその実践――オーストラリア クィーンズランド州をケーススタディとして」2006年度日本語教育学会秋季大会(熊本県立大学)
  • 太田裕子(2006年2月19日).「外国語としての年少者日本語教育で何を目指すか―オーストラリアの最近の言語政策と教室実践の検討から―」年少者日本語教育学を考える会第4回研究集会(早稲田大学)[DOWNLOAD: PDF
  • 山田裕子(2005年9月18日).「児童・生徒のリテラシーを引き出し,関連付け,伸張する年少者日本語教育――JSLの中学生への日本語支援からの考察」国際研究集会「ことば・文化・社会の言語教育」(早稲田大学)
  • Yamada, Y. (July, 6. 2005). "Between the syllabus and classrooms – Critical analysis of Queensland LOTE syllabus." The 14th Biennial Conference of the Japanese Studies Association of Australia (Adelaide University).
  • 山田裕子(2005年3月24日).「政策と教室の間にあるもの――クィーンズランド州日本語シラバスの批判的研究」早稲田大学日本語教育学会2005年春季大会第5回研究発表会(早稲田大学)
  • 山田裕子(2005年2月27日).「海外の年少者に対する言語文化教育とは――クィーンズランド州日本語シラバスとその実践研究から」年少者日本語教育学を考える会第2回研究集会(早稲田大学).[DOWNLOAD: PDF
  • Yamada, Y. (Oct, 9. 2004). "Critical policy analysis on Australian `multiculturalism' in LOTE education." School of Education 10th postgraduate conference: Get Wise! Surpassing the Norm (Queensland University).

講演,ほか

  • 太田裕子,ドイル綾子,大嶋えり子,可児愛美(2013年3月19日).チュータリングのスキルアップのために自分たちでできること――チューター研修の体験と立案(ワークショップ)国際基督教大学ライティング・サポート・デスク(国際基督教大学).
  • 太田裕子(2012年3月27日).「書き手を成長させる問いかけ・対話とはどのようなものか」(ワークショップ)国際基督教大学ライティング・サポート・デスク(国際基督教大学).
  • 太田裕子(2011年6月21日).「レポートの書き方ことはじめ」(講演)学習院大学図書館セミナー(学習院大学目白キャンパス中央教育研究棟403教室).