齋藤恵(さいとう めぐみ)
博士課程進学,所沢の中国帰国者定着促進センターで日本語講師として勤務。大人と子どもを対象にした日本語教育に従事。(報告:「中国帰国者定着促進センターで」)
興味・関心
「スキャフォールディング」を理念とする年少者JSL教育の構築について。「日本語を母語としない子どもたち」が日本の学校の中で自己表現をしながら,また,学校や社会に参加しながら学び成長することを,日本語教育はどのように支援できるのか,という観点から,年少者日本語教育実践における「スキャフォールディング」のあり方を研究しています。
自己紹介
栃木県宇都宮市出身。国際基督教大学教養学部で日本語教育副専攻課程と英語科教職課程を学びました。学部卒業後,大学受験予備校の教務部門に勤務し高校生向けの講座企画や教材制作に3年半携わりました。進学のために退職し修士課程に入学。1年間のオーストラリア留学期間を含めて修士課程を3年かけて修了しました。
2005年4月~現在 中国帰国者定着促進センター(所沢市)の日本語講師として勤務。帰国者センターでは,主に小学生・中学生からなる「子どもクラス」を担当し,カリキュラムの作成や日々の授業作りに従事しています。
2005年4月~2007年9月 早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程に在籍(2007年9月中途退学)。帰国者センターでの教育実践を通して,私の研究テーマである「スキャフォールディング」への理解をさらに深め,実践の中で考えたことを,博士論文にも還元していきたいと考えています。今後も,実践研究者として,また,博士の学位取得を目指して実践・研究を続けていきたいと思っています。
研究業績
- 小川珠子・齋藤恵(2007).「文章の型」を利用した作文プログラムの試行――所沢センター中学生クラスにおける実践から『中国帰国者定着促進センター紀要』11,58-50.
- 齋藤恵(2006).年少者日本語教育におけるスキャフォールディングの意味―あるJSL生徒の日本語支援における学びの記録から 川上郁雄(編)『「移動する子どもたち」と日本語教育』(pp.161-189)明石書店.
- 齋藤恵(2006).JSL児童生徒の成長における「audibility」と「行為主体性」の意味―子どもの成長を支援する言語教育のために リテラシーズ編集委員会(編)『リテラシーズ 2―ことば・文化・社会の日本語教育へ』(pp.113-128)くろしお出版.
- 齋藤恵(2006).適応支援としての年少者日本語教育の役割と課題―JSL児童生徒の「行為主体性」をどう捉えるか『早稲田大学日本語教育研究』8,37-50.
- 齋藤恵(2005).「中国帰国者定着促進センターで」早稲田大学大学院日本語教育研究科年少者日本語教育研究室.
- 齋藤恵(2005).『年少者JSL教育による児童生徒の統合的適応支援の可能性―日本語指導におけるスキャフォールディグの試み』早稲田大学大学院日本語教育研究科修士論文(概要 [DOWNLOAD: PDF])
- 齋藤恵(2004).学びと成長を支援する年少者日本語教育実践に向けて―オーストラリアの年少者ESL教育におけるスキャフォールディングの分析から『早稲田大学日本語教育研究』5, 93-112.[DOWNLOAD(PDF)]
- 齋藤恵(2004).中学校における日本語支援:どのような支援が必要なのか―「安心感」の確保と学習参加への動機づけ『年少者日本語教育実践研究』3.[DOWNLOAD(PDF)]
- 齋藤恵(2004).年少者JSL教育におけるスキャフォールディングの必要性『年少者日本語教育実践研究』2.