山内薫
シャルル・ド・ゴール リール第3大学 日本科セクション
漢字学習の概要
1.使用テキスト
『漢字とかな』,および本テキストを基に作成されたプリント教材(各週平均25字)
2.2009~2010年度 漢字数
- L1
- 25×22週=550字(かな学習の2週間 除外,休暇自宅学習 含)
- その他:1年のみ,毎週クイズ実施。各学期2回のControle continueはクイズから出される。
- L2
- 25×22週=550字(休暇自宅学習 含)
- L3
- 28×24週=672字
- 合計
- 1772字
3.Licence 1
1)前期 (S1)
- 科目名: Ecriture et lecture
- 授業時間: 週1時間
- 人数: 3グループ,約40~60名/グループ
- 教室: 中型教室
- 配布資料: なし
- 科目名: Ecriture et lecture
- 授業時間: 週1時間半
- 人数: 2グループ,約40~80名/グループ
- 教室: 大講義室
- 配布資料: プリント
- 試験: Controle continueで実施
- 科目名: Ecriture et lecture
- 授業時間: 週1時間
- 人数: 約40~60名
- 教室: 中型教室
- 配布資料: プリント
- 試験: Controle continue の一部(漢字7~10割,動詞の活用0~3割)
- 科目名: Compréhension
- 授業時間: 1時間(の内の一部)
- 人数: 約40名
- 教室: 小型教室
- 配布資料: プリント
- 試験: Controle continue の一部(作文と半々の割合)
- 漢字数,および提出順の見直し
- L1: 400字
- L2: 600字
- L3: ?
- 書き順の徹底化,なぞり練習,および読み書きの練習方法の見直し
- インターネットの活用
概要
前期は,前任者の常勤講師が作成したパワーポイントを用いて,イラストを提示しながら,漢字および単語を学習した。その補足として,担当者が各漢字を含めた例文を作り,板書や口頭で提示することもあった。また,書き順が難しい漢字についても板書し,注意を促した。さらに未習であっても,積極的に,反意語,同意語および関連語を取り上げた。学生は,毎週ムードル(大学の学習サイト)上のプリントを各自ダウンロード,および印刷し,自宅で復習を行った。
2)後期 (S2)
概要
後期は,漢字授業の方法を変更した。前期の最後に「前期のパワーポイントで見る語彙では,各漢字の色々な読み方に触れることができないので,自宅での復習が困難である」という学生たちの意見を受けた。そこで,後期はパワーポイントを使わず,毎週,ムードル(大学の学習サイト)上のプリントを配布し,プリント内の漢字および語彙から例文や語彙を作成するという方法で行うことにした。具体的な方法は,担当教師のパソコンを大講義室のプロジェクターに写し,学生とやり取りを行いながら,ワードに文,反意語,同意語および関連語を打ち込んでいくという方法であった。後期は大講義室での授業で,学生と黒板との距離があったため,板書はほとんど行っていない。
教室で取り上げられた語彙から派生して,担当教師が日本の慣習や経験を語り,学生が表面的ではなく,できるだけ深い視点から各漢字の文脈を掴めるように心がけた。ただし,取り上げた例文については,あくまでも担当教師の文脈であり,漢字を使えるようになるためには,各学生自身の文脈から作文を行うことが必要であることを毎回伝えた。また,年間の授業を通して作文の活動も積極的に取り入れ,学生が自身の文脈で漢字が使えるように心がけた。
その他,クイズにおいては,人数(150名以上)の関係で回収および採点はせず,授業開始時の5~10分程度の時間で,各学生が担当者作成のクイズを解き,全員で答え合わせを行った。後期の後半は,(1)自分ひとりで解く,(2)先週の漢字プリントを見て各自で自己添削,(3)担当者のところに行き,細かい添削を受ける((4)その後,出席表のサインをする)という活動を導入した。担当者は,各学生の書き方の癖および書き順を確認し,できるだけ細かく指導を行った。この活動を入れることは,各学生の速度で焦らずに取り組めること,また,自分自身で間違いを発見する力を養うことを目的としていたが,学生自身にとっても担当教師にとっても,向き合い話し合える機会となると共に,各学生のレベルを確認する機会の一つとなった。
4.Licence 2
(S3,S4)
概要
前期・後期とも,担当教師のパソコンを教室のプロジェクターに写し,学生とやり取りを交わしながら,ワードに文,反意語,同意語および関連語を打ち込んでいくという方法で行った。当該語彙から派生して日本の慣習や担当教師の経験を語り,学生が表面的ではなく,できるだけ深い視点から各漢字の文脈を掴めるように心がけた。後期は,教室移動の関係でパソコンを使える環境にないこともあり,その時には板書で同活動を行った。
L2の後期になると,プリントで指定されている語彙が減ったため,学生と話し合いながら,テキストから語彙を選出し,例文を作成した。学生が選出した語彙である時は,例文も同時に学生によって作成される場合が多かった。
5.Licence 3
(S5,S6)
概要
山内担当の授業では,L2の漢字の復習が行われた。昨年度(2008~2009年度)のL2漢字学習は,大学では行われず自宅でムードルからプリントをダウンロードし,各学生で覚え,試験を受けるという流れであった。そのためか,L3の学生の中にはL2の漢字を覚えていない,あるいは使い方が分からないという学生が多数おり,学生たちから復習したいという要望を受けた。そこで,後期は,山内担当の授業の一部でL2の漢字の復習(L2の漢字を用いた例文の作成)をパソコンと板書を用いて行った。既習(あるいは見たことがある)漢字であったためか,多くの学生が自信をもって読み方や例文を提示する様子が見られた。担当教師は,補足として反意語,同意語,関連語,および関連表現などを示した。
L3の漢字については,Thème et Versionの担当教師が行った。その授業では,学習漢字を使って文章を作ってくるという宿題を出し,担当教師が確認および添削を行っていた。