井上貴子
19期生:2010年春入学
私は,高校3年生の時,タイで1年交換留学を経験しました。初めて海外で日本語を学ぶ高校生と出会い,書道や日本語の読み書きを教えました。私が教える日本語を真剣に聞く,学ぶ姿を見て,大きな衝撃を受けたことを今でも覚えています。「私にも出来ることはないだろうか」と考え,日本語教師になりたい!と思うようになりました。
大学では副専攻として日本語教育を勉強しながら,台湾での日本語教育実習や,中等教育の学習者に対する日本語支援を行ってきました。しかし,実践を通して「納得できない,このまま現場に出て日本語を教えてよいものか」と,考える日々が続きました。そこで,日本語教育についての理論面での知識は勿論,実践面での経験を蓄えるべく日研への入学を決意しました。
しかし,日研に入学し「なぜ研究をするのか,する必要があるのか」を,毎回問われる度に「私は何を研究するために大学院にいるのか」といった存在意義が分からず,悩む日々を送っていました。しかし,何がやりたいのか,何に興味を持っているのかを改めて考え直した時,タイでの1年留学を思い出しました。現在は「高校留学生における日本語支援」に興味があり研究を進めています。タイでの1年留学を経験,そして日本語教育の立場として,高校留学生にどのような支援が必要なのかを,実践を通して考えていきたいと思っています。
また,日研に入学して,初めて「私は何者か」を考え,そして今までの人生を振り返ることが出来ました。今までは「あの時もっと勉強しておけば違う道が開けたのではないか」と,たくさん後悔をしてきましたが,今までの経験全部含めて「今の自分」がいると,日研に入学し思えたことは私にとって大きな一歩だと感じています。それは,苦楽を共有できる仲間や,支えて下さる先生がいたからこそ思えることです。
修士に入学し1年が経ちますが,これからも,たくさんの人と話し,悩み,考えながら,一歩一歩進んでいけたらと思っています。